遊びたい年頃
こちら福田です。
只今、ニーベル国のお城に来ています。
おっと、中継みたいに言ってしまった。
何故ここに居るのか。
それはサミット開催にあたり、こき使う、いや、便利に、いや、司会役を捕まえようと思ってね。
ニーベル国王を連れて行こうと思ったのですよ。
「福田君。最近見ないと思ってたら、新大陸に行っていたのか……」
「そうです。で、新大陸でもサミットをする事になったので、司会進行を頼みます」
「何でわしなのだ?」
「一度サミットを経験しているからですよ」
「他の国の王でも良かっただろ?」
「あ~、そうですか。やりたくないんですか。
残念だなぁ。新大陸と『コネクト』で繋がれるチャンスだったのになぁ。
じゃあ、この話は違う国に持っていくかなぁ」
「福田さん、いや、福田殿。王が是非ともやりたいと申しております」
あれ? ネモト卿、いつの間に?
ヌマタ卿は? あっ、王をハリセンでシバいてるわ。
「じゃ、じゃあお願いしようかな。ついでにお二人も同席してくださいね?」
「勿論です! 王だけでは不安ゲフンゲフン、書紀等も必要ですからね!」
今、変な事が聞こえたが、聞こえなかった事にしよう。
「ところで、何故福田さんが議長をされないのですか?」
「いやぁ、何故か神の使徒って事にされてまして。
そういう人間が進行じゃあ意見が出ないでしょ?」
そう言うと驚くか笑うと思ってたのに、3人とも納得!って顔しやがった。
何だよ、その顔は!
「何です? 何でそんな顔をしてるんです?」
「いや、神の使徒。全て納得しました」
「違いますからね?! 設定ですからね?!」
「あの~、設定で神は呼べないと思いますけど?」
あ~、そう言えば、ダンジョンを作った時に呼んだね。
ノリノリな神が来たね。
「と、とにかく! 設定ですから! 日時が決まったら連絡しますから! それじゃ!」
慌てて帰ったよ。
ヤバい。こっちの大陸でも使徒扱いされそうだ。
ギラアンスの城に戻ると、まだ吉田君は残っていた。
そして、ナグラさんと一緒に何か話し合いをしている。
そのナグラさん。こちらを見て、突然叫びやがった。
「正体不明の物体接近! パターン青! 使徒です!」
「第一種戦闘配置」
この野郎。吉田君がサングラスして白い手袋をしてたのはその為かよ!
フライパン女子は「サービス、サービスゥ!」とか言ってるし。
菜箸女子は吉田君に対して「アンタ、バカぁ?」って言ってる。
指摘してるみたいに見えるけど、お前も同罪だよ!
唯一静かなお玉女子。お前は参謀役だったもんな。こんなバカ騒ぎには乗らないよな。
な、何だと?! 小さい声で「私は3人目だから……」だと?!
確かに吉田君の連れの女子は3人だけどさ!
くそっ! 鳥みたいになって精神攻撃をしてやろうか!
そう思ったら、既に横にチョロが横たわっていた。
どうやら空から落ちてくるタイプをやらされたようだ。
腹に3人分の手形が付いてるから、受け止められたのだろう。
あっ、リーとチェンも居る。
判った。お前達は分裂して赤と白に分かれるヤツだな?
丁寧に腹に赤い丸まで書いて、何やってんだよ。
もう一度言う。何やってんだよ!!




