またサミット?
ナグラさんが売り出した姿絵は完売。
売る時に「模造品等を売るような愚かな信者はいないでしょうが」と言っていた。
それ言われたら、作れないよな。
作って売り出したら、村八分にされそうな気もする。
ちゃっかり釘を刺す所が上手いと言うかセコいと言うか……。
本物(?)はギラアンスでしか作ってないと言ったら、早速交易を始めるようだ。
ギラアンスはこれだけで外貨獲得出来そうだわ。
ナグラさんの作戦はまだまだ進行中。
今度は安いのと高いのを販売するつもりらしい。
安い物は小さい物で、お守りのように持ち歩ける。
高い物は高級な額縁に入れられてる。
これで庶民から貴族まで誰でも買えるようにするんだとか。
……今にフィギュアまで作りそうだな。
さて、この国での用事は終わった。
他国に行かなきゃね。
10日間で5ヶ国回りました。
楽だったのはオルガ連邦とギラアンスの間にあるガイガン国。
2国で交易が始まると判ったら、話が早かった。
後は最初に到着した国、マンダ国。
こちらは領主の件もあって、話が早く進んだ。
残りの3国が大変だった。
特にガバラ国。
国土の多くをランテビオに取られていたので、現在も交戦状態な感じだった。
勇者の事も知っていたので、同じ髪色って事で逮捕されかけたよ。
『結界』と『反射』を使ったし、壁ドラゴンも使った。
お陰でおとなしくなったけど、終始反抗的だった。
最後には『神の奇跡』って事で衛星からの攻撃をさせた。
海に攻撃させたけど、物凄い威力だったわ。
衝撃だけで、クラーケンとか浮かんできたもん。
その様子が隣の国のバラン国からも見えたらしく、少しはおとなしかった。
マンダ国からも話を聞いていたようだし。
最後に行ったカメーバはある意味難敵だった。
イタリアみたいな国土なんだけど、ランテビオにあまり関心が無かったのだ。
ランテビオも何度か攻めてたみたいだけど、両国の間に巨大な山脈があるのでほとんど影響が無かったみたい。
主に船でオルガ連邦と貿易してるらしく、そっちからの情報が入ったら話が早かった。
ま、これでやっと全ての国と話す事が出来たよ。
幸いどの国にもまだ使者は来ていない。
まぁ、俺の馬車より早い訳無いし、トンネルのように何も無い1本道じゃないからね。
ギラアンスに戻る途中、王様が話しかけてきた。
全ての国に同行してくれていたんだが、馬車の中が気に入ったみたいだ。
リビングのソファに寝転びながら話してくる。
くつろぎ過ぎじゃないですかね?
「福田殿。こうなったら、全ての国の王を集めて話した方が早いのではないか?」
「あ~、サミットですか。確かに各国で話しても時間がかかりますもんね」
「サミットとは?」
「各国の王が集まって、今後について話し合いをする事をサミットって言うんですよ」
「そうですか。では、サミットをしてはいかがでしょう?」
その方が確実かなぁ。
だってさ、例えば、ランテビオから使者が来る。
それに対して要望を言う。
使者はそれを持ち帰り、王と相談して返答を持ってくる。
それにまた返答して……って時間かかるよな。
集めて話し合った方が早いだろうね。
そこに過去の情報を持った神様でも居れば、更に早く進むだろう。
うん、それで行こうか。
「じゃあ、そうしましょうか」
「うむ。して、連絡はどうするのですかな?」
「ああ。各国の城の下に転移出来るようにしておいたので、すぐにでも行って話が出来ますよ」
「……神様は便利ですなぁ」
いや、俺は神様じゃないですし。
それに今、もう一つの大陸では、自由に行き来出来るようになりだしてますよ。
こうして、サミット開催に向けて動き出した。
何か、俺って、サミットばっかりやってないか?




