ルシファーさんの秘密
「福田殿、どうかなされましたか?」
「い、いえいえ! いや、ちょっと問題が!
あの、すみませんが! ギラアンス王と話していてください!
後でまた会いましょう!」
「あの、福田殿?!」
慌てて部屋に戻った。
これは大問題だ! どうしよう? よし、こうしよう。
仏様に連絡する。これしかない。
あっ、留守電だったな。どうしようか?
こうなったらルシファーさんだ!
事情がバレる? それよりも重要な事なのです!
それにこの部屋内で完結すれば問題無いだろ?!
「ルシファーさん! 問題です!」
「えっ? 何? クイズ?」
「その問題じゃないです! 問題が発生しましたって事です!」
「問題発生?! どうしたんだい?!」
「加護が、11個で、眷属が!」
「え~と、何言ってるのかな?」
「だから、俺の眷属が加護で、11な問題です!」
「うん。判らない。福田君の所に行くよ。ちょっと待ってて」
1分も立たずに、ルシファーさんが来てくれた。
イイクラさんに言われた事をそのまま話す。
「あ~、理解出来た。
そう言えば何年も前にもそういう人居たわ」
「そ、そうなんですか?」
「まぁ、レアなケースだね。それでどうしたの?」
「どうしたって……だって眷属ですよ?!」
「そうだけど、何かそれで困る事があるの?」
「えっ?! ……そう言われると、別に困りませんね」
「でしょ? 傍から見て判る事でも無いし。鑑定されても出ないハズだよ?」
「そうなんですか」
うん。慌てたけど、よく考えれば「だからどうした」ってなるな。
どちらかと言えば、回復できてラッキーって感じだ。
じゃあ良い、のか?
「今、11も加護があるんだ~。それだけあるなら、僕のも付けちゃえ。えい!」
「ちょっと! 何してるんですか!!」
「今更でしょ? 気にしない!」
「気にしますって!!」
ステータスを確認する。
あ~、ルシファー神の加護って付いてるよ。
12個になっちゃったよ……。
「あの~、技術に『反射』ってのが付いたんですけど……」
「あっ、それ、僕の加護を貰うともれなく付いてくるやつ」
「そんなオマケみたいに言われても……。どういう物なんですか?」
「一応ね、光の神をしてるんだ。だから光を反射するよ!」
「鏡みたいな物ですか?」
「え~と、何でも反射するよ! 任意で選べるから」
「よく判らないんですけど」
「例えばね、HPが100減る攻撃を受けたとするじゃん?」
「は、はい。死ぬと思いますが」
「仏の『結界』だと吸収して0にするんだけど、僕の場合は『反射』するんだ」
「でしょうね。で?」
「だから、攻撃してきた方が100のダメージを受けるって事になる」
「……マジですか?」
「はい。マジです」
仏様の結界もチートだけど、これもチートじゃないか!
何もしなくても防御してるだけで勝てる。
いや、防御も必要無いのか。『反射』を使ってるだけで良い。
「弱点は無いんですか?」
「そうだねぇ。光さえも吸収するブラックホールには勝てないかな?」
「出会う事が無いですよ!」
「あっ、1回『反射』する度に、MPが1減るよ! 無くなったら使えないからね!」
10のダメージだろうが1000のダメージだろうがMP1だけ?
便利なような不便なような……。
でも、現在はMP1330だ。
1330回も攻撃される事は無いな。
この地なら回復するし。
どうせ要りませんって言っても無駄なんだろう。
ありがたく貰っておこう。




