技術
最後に大まかな地図を掲載しました。
朝食を食べてすぐに出発するつもりが話し込んでしまい、結局9時を過ぎてからの出発となってしまった。
当たり前のようにアサイさんは馬車に乗っている。
女性3人と馬車の中ってのもアレなので、今は御者席でカンダさんに御者を教えてもらっている。
これも『技術』に入るそうで、ある程度出来るようになれば『御者(E)』が付くらしい。
昼休憩には、全員から俺の持ってない『技術』を教えてもらう事にした。
カンダさんからは『瞬歩』。一瞬で間を詰める走り方だ。
キジマさんからは『ナイフ術』。ナイフでの戦い方だ。
コタニさんからは『逃げ足』。そのまま、逃げる時に足が速くなる。
当然すぐには覚えられないが、毎日やってればその内に覚えるだろう。
代わりに皆には『足捌き』を教える事になった。
意外な事にカンダさんですら使えないそうだ。
何でも、この『技術』は無手での格闘で使える技らしく、今までは『瞬歩』で代用してたらしい。
俺は使ったことが無いので教えられるか不安だったが、何故か使い方が判ってたし教えられた。
不思議だったがそういうものなんだろうな、と勝手に納得してる。どうせ考えても判らないし。
意外だったのはアサイさんだ。
この人ほとんど『技術』を持っていないのだ!
いや、それ自体は凄~く納得が出来る。
そうではなく、持っていた『技術』が驚きなのだ!
それは『料理』!!
こういう人は料理が下手なのがお約束ってモノじゃないだろうか?
料理が出来ないくせに、勝手に「これを入れたら美味しくなると思う!」とか言ってバカなアレンジをしそう。
何で出来るの?って思わず聞いてしまったくらいだ。
「いいじゃないのさ! 料理が出来て何か悪いの?!」
と怒られた。なので、
「あぁ、1人暮らしが長いんだな。彼氏とか居なさそうだもんな」
と言ったら襲い掛かってきた。図星だったらしい。
しかし、この移動中では料理を教えてもらう方法が無い。
俺のマジックボックスにも食材は入ってないしね。
入ってるのは料理と調味料くらいだ。
そう言ったら、食材を取りに行く事になってしまった。
町に行ってからでいいじゃないか? という俺の問いには、「信じて無さそうだから」という答えが。
わ~鋭い! 心が読めるんじゃないか?ってくらい鋭いわ。
という事で、街道横の森の中に来てます……。
「誰か、食べられる草とかキノコとか判る人、居る?」
「たしか『採取』って技術を持っていると判別出来るそうですが」
「へ~。で、誰か『採取』を持ってるの?」
し~~~ん
「ダメじゃないか!」
「大丈夫よ! 草やキノコがダメなら獣を取ればいいじゃない!」
アントワネット的な事を言うなよ!
「獣とかどこに居るか判るのか?」
「判る訳ないじゃない! 『索敵』の技術を持ってれば見つけれるわ!」
「誰か持ってる人~」
し~~~ん
「さっ、馬車に戻ろうか」
「何でよ~! 誰かイノシシとか探して倒してよ~!」
「見つけてこいよ。そしたら倒してやるから」
「言ったわね! 待ってなさいよ!!」
そう言って森の奥の方にアサイさんは進んでいった。
「さっ、戻ろうか」
「あれっ? アサイちゃんはどうするっスか?」
「大丈夫大丈夫。冒険者なんだから。気にしない気にしない」
戻ろうとしたら、思いっきりタックルされた!
「やっぱりね! そうだろうと思ったわ! こんな事もあろうかと『隠蔽』で隠れて見てたのよ!」
「ちぃっ! そんな技術を隠し持ってたとは!」
「当たり前じゃない! 無一文の私が宿場町に入れる訳無いでしょ! 『隠蔽』でコッソリ入ったのよ!」
「犯罪者だ! ここに犯罪者が居る! お巡りさ~ん!!」
「止めてよ! 本当に警察来たらどうすんのよ! さっさと移動するわよ!!」
で、結局、馬車に戻り移動する事に……。
なんだったんだよ……。
落書きのような地図ですみません…。




