プラン変更
トンデモナイ加護を貰ってしまった……。
いや、加護もだけど、それに伴う技術だな。
これ、はっきり言って、無敵です。
相手に触れる必要はあるが、触れさえすれば勝利が確定するのだ。
「あの~、この『技術』なんですけど。絶対にHP1になるんですか?
10とかにするとかは?」
「無理です」
「あっ……そうですか」
瀕死確定か~。
良し! 基本的にOFFで!
使わなければ良いだけだもんな!
「福田さん。是非ここの王族に使ってくださいね♪」
エリクトニウス神からのまさかの指示です。
その為に付けたな! 何て非道な!
……いや、非道な真似をしたのは王族なのだ。反撃されてもしょうがないだろう。
「10回使って、9回は回復させれば良いんですよ」
「あっ、最後は瀕死で放置ですか……」
「僕もされましたし? 瀕死で放置で、何か問題が?」
「いえ、ありません!」
さわやかな笑顔で言われたよ。
しかも目は笑ってない。怖いです……。逆らえません……。
「福田君。君の良識を信じているぞ?」
仏様。それは俺じゃなく、神様達に言ってあげてください。
殺人なんかしたくないですからね!
「ところで仏様。こっちに居るのが『巻き込まれた者』のムガキ君です」
「ど、どうも、ムガキです!」
「おおっ! この度は済まなかったな。
ちゃんと元の世界に帰すから心配しないように」
「は、はい」
何を緊張してるのだろうか?
うん? チラチラとどこか見てるね。
あぁ、ヘファイストス神か。そうか、ヘファイストス神に召還されたんだもんな。
苦手で当然か。
誤解を解いておかないとね。
ムガキ君にこれまでの経緯を話しておいた。
勿論勇者の今後もだ。
「あの~、僕もレベルが1になるんでしょうか?」
「いや、ムガキ君は現状のまま戻ってもらう」
そう言えばムガキ君を見てなかったな。
どれ、鑑定してみよう。
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名前:無垣亮
年齢:17
種族:異世界人
レベル:30
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おっ、レベル30か。
さすがに頑張ってたみたいだね。
そう言えば燻製を作ってたって話だ。獣を狩ってたんだろう。
「現状のままで日本に帰るとどうなのか、先人が居るから話を聞いたら良いと思うよ。
仏様、帰すのはもう少し伸ばせませんか? 吉田君達と合わせたいので」
「ふむ。それが良いかもしれません。ムガキ君はそれで良いかな?」
「はい。帰れるのなら」
「じゃあ後で吉田君達と会ってもらうから。
俺は今から城に行くんで待っててね」
「僕も連れて行ってください!」
えっ? レベル30でしょ?
ちょっと危険じゃないかなぁ。
「最後まで見届けたいんです!」
「そ、そうか……。じゃあ……ちょっとプラン変更しよう。
その代わり、絶対に俺の言う事を聞いてくれよ?」
「はい!」
下から王が居る所まで上って行くつもりだったんだけどな。
それだと、ムガキ君が心配だ。
従魔に守らせるにしても、何があるか判らないし。
プラン変更して、上から直接行くとしようか。
さ、シロの努力を無駄にしない為にも、あいつを呼び出しますかね。




