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エレクトニオス救出

酷い。

あまりにも酷い。

神様だから飲み食いしなくても死なないし排泄もしない。

だからと言って、何も与えなくて良いという事は無い。

だが、この状態は何だ?!

やせ細って、ミイラのような肌になっている……。

これが人間のやる事か?

目の前にしても、信じられない光景だ。


いや、ボーっとしてる場合じゃない!

すぐに開放してあげないと!

『混沌』を使って、ついでに『開放出来ますように!』と運も使う。

運が30も減ったけど、関係無い! 救出が先だ!


そのまま椅子に近寄り、神様を引っ張る。

全然椅子から離れないので、椅子に足をかけて引っ張ったら付いていた宝石の1つが剥がれた。

その瞬間、神様を椅子から剥がす事が出来た。

宝石が取れた事で、効力が減少したんだろうか?


おっと、そんな事は後回しだ。

すぐにウォーターの魔法を使って、体に水をかける。

干からびたような状態だったので、体が水分を吸収して徐々に戻っていく。

さすが神様。回復が早いです。

意識はあるようなので、ゆっくりと水を口に入れた。

神様はゆっくりと飲み込んでいく。

ある程度回復したら、果物でも食べてもらおう。


その前に説明が必要だね。

復活した途端、国を、いやこの世界ごと滅ぼされても困るから。


「神様! ヘファイストス神の頼みで救出にきました!

 ここは城の地下の更に下です。追手は来ませんので、安心してください。

 これからヘファイストス神や仏様を呼びます。

 体力が戻ったからと、暴れるのは止めてくださいね。お願いしますよ?」


そう告げると、ゆっくりとだが頷いてくれた。

良かった。まだ理性はあるようだ。


急いで神様達に連絡を入れる。

すぐに現れたのはヘファイストス神。そしてアテナ神。夫婦で登場です。

その後に仏様。


「福田君、上手くやったようですね」

「ええ。何とか救出する事が出来ました。

 仏様、俺と一緒に3柱を説得してくださいよ?」

「勿論です。このままでは暴れてしまうでしょうからね」

「お願いしますよ」

「その前に、エリクトニオスを治療してしまいましょう」


そう言うと、仏様は手を振った。

するともう1柱現れたじゃないか!

しかもどこか見た顔だな……。あっ、判った! ダンジョンで彫刻になってた神様だ!

確か名前は……アスクレーピオス!


「やあ。僕の名前はアスクレーピオス。父がお世話になってるね。

 と言うか、迷惑をかけているようで、申し訳ない……」

「アスクレーピオス。挨拶よりもまずは治療をお願いしたいのだが」

「あっ、すみません。今行きます」


そう言うとアスクレーピオス神は、エリクトニオス神の元に走っていった。


「何でアスクレーピオス神が?」

「彼は医療の神だ。知ってるでしょう?」


……そう言えばそうだったような。

でも、俺は加護を貰った訳では無いので覚えていませんよ。

アポロン神の息子さんって事は覚えてますけど。



それから10分後。

治療は終わったようだ。

おおっ、美男子が居る! あれがエリクトニオス神の真の姿か!


「いかん!」


突然仏様が叫ぶと、周囲が白くなった。

乳白色の霧が出たと言っても良いだろう。何だこれ?

この霧の中では非常に動きにくい。空気が粘っこいって感じ。

その中で仏様はスイスイと歩いていく。

これは仏様の力なのか?


「お前達、福田君の努力を無視して暴れるつもりだっただろう?

 さすがにそれは許せません」

「仏! 結界を解け! あいつらは許せないんだ!」

「アテナ! 落ち着きなさい! ヘファイストスとエリクトニオスも止めないか!

 お前達は、エリクトニオスの命の恩人の努力を無視するのか?

 彼はどうしたいと言っていた? そして何故協力してくれた?

 ちゃんと考えて行動するんだ!」

「それは判ってる! でも……でも!!」

「判ってるなら落ち着きなさい。

 福田君も無かった事にしようとしてるんじゃない。

 ちゃんとやつらには罰を与えるはずだ。さあ、まずは助かった事を喜ぼうじゃないか。

 そして、福田君に感謝を。その後に作戦を聞き、行動するんだ」

「……判ったよ、仏」


さすが仏様! 説法は得意ですか。

でも、この結界に俺も巻き込まないで欲しかったです。

ついでに言えば、ナグラさんとムガキ君も巻き込まれてるから。

早く解除してください!

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