朝食と昼食
……この穴、蝋でも流したら型が取れそうだな。
いやいや、そんな事をしてる場合じゃない。
宮廷画家と一緒に隠し通路を通って屋敷に戻ると、忍者さんが居た。
「勇者は捕まえて、元の世界に戻しましたよ」
「お見事です。こちらも首尾良く誘導出来ました。
外交員は全員眠っています。双方に怪我人はいません」
レイはちゃんと仕事をしたようだ。
お見事です。
「そちらはお任せしても大丈夫ですか?」
「はい。お任せください」
良し! 今日の仕事は終了!
帰って寝よう!
宮廷画家は感性が刺激されたそうで、屋敷で描いていくらしい。
俺は隠し通路を戻って、ナグラさんと馬で城へ戻った。
城に戻ると部屋が用意してあり、そこで休んでくれと言われた。
まぁ家に戻っても寝るだけだし、たまには良いか。
お世話になりましょう。
翌日。
メイドさんに起こされた。
聞けばもう昼前だという。
朝飯と言う名の昼飯の用意が出来ているそうな。
ナグラさんも今起こしているらしい。
着替えて食堂に向かいましょうか。
食堂に行くと、吉田君達が居た。王様も居る。
知らない女性が1人居るね。あれが姫様かな?
後からナグラさんもやってきた。
「昨日は上手くやったようだね」
「ええ。問題有りませんでした」
「それは良かった。聞きたい事や報告したい事があるのだが、まずは食事にしよう」
俺達には少し軽い料理が出てきた。
皆には昼飯だけど、俺達には朝飯だからね。
食事が終わると報告会だ。
俺は昨日の事を皆に話した。
特に罪と罰の事ははっきりと伝えておいた。
吉田君達が同情しては困るし、王様達からすれば償ってもらわないといけないからね。
「なるほど。良く判った。
神様が直接罰を与えるなら、こちらは言う事は無い」
「結構な罰になりますね。死罪よりもキツいかもしれません」
「……そうか。
ではこちらの番だな。
捕まえた外交官だが、予想通り、勇者の監視役でもあったようだ」
「簡単に喋りましたか?」
「いや。最初は『外交官にこういう事をするとは外交問題だぞ』とか言ってたがな。
勇者を捕獲して元の世界に送り返したと伝えると、急におとなしく話すようになった」
「まぁ、そうでしょうね」
「それで得た情報だが、やはり『巻き込まれた者』は王都に居るそうだ。
城には居ないが、常に監視が付いているらしい」
逃げられては困るもんな。
かと言って牢屋に入れる訳にもいかないし。
監視付きで隔離するのが一番だろうね。
「ではその人を救出してから、城に行きます」
「そうか」
「福田さん、俺達は同行ですか?」
「吉田君達は、引き続き布教に励んでくれ!」
「布教?! もうこの国で勇者活動は必要無いでしょう?!」
「何を言ってるんだ? この国を足がかりに、各国全てで布教するぞ?」
「何でですか?!」
「戦争を防ぐ為だ。判るだろう?」
「そう言えば納得すると思ってます?」
「そ、そんな事、考えて、無い、よ?」
「本当ですか?」
「あ、あの国をおとなしくさせてから、各国にお願いして回るんだ。
その時に人気がある勇者様と行けば、心象も違うだろ?」
「でも、俺達は何もしてませんよ?」
「今回の事も君達が治めた事にするから大丈夫。
王都で俺がする事も君達がした事にするから」
「それで良いんですか?」
「あぁ。俺は裏方で良いのさ」
俺が人前に出て喝采を浴びるなんて、とんでもない!
そういうのはモテモテの吉田君の仕事ですよ。
ついでに、ブロマイドが沢山売れたら良いな。




