表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
903/949

謁見開始

この完全な脅しを聞いて、忍者さんは去って行った。

若干動きが硬かったように見えたのは、気のせいじゃないだろうなぁ。

上手く王様にお伝えください。


このまま待つ事20分。

ようやく文官のような人がやってきた。

いよいよ謁見らしい。

はい、王子様。馬と喋るのはそこまでです。移動しますよ。

ナグラさんもシロと遊ぶのは止めてください。

何だよ、緊張してるのって俺だけかよっ!


文官さんの案内で謁見の間に向かう。

前後には近衛兵が1人づつ付いている。

さすがにこれは外せないらしい。


「王子様、あの方は?」

「あぁ、案内してるやつか? あれは宰相だぞ」

「宰相自らが案内ですか?!」

「あいつも気苦労が多いからな。

 多分だけど、自分の目で見たかったんだろう」


大変ですね。

俺のせいだけど。


謁見の間の扉の前に到着した。

デカい扉と想像してたが、普通の部屋の扉だ。

聞けば鉄板入りで頑丈らしい。

大きい扉にしたら、大勢が同時に入って来れるだろ?との事。

確かに。じゃあ、なんで今までの扉はデカかったんだろうな? 見栄?


宰相がノックをすると、両開きの扉が開けられた。

勿論廊下側に開くので、俺達は少し下がっていた。

内側に開くのなら、突破しやすいもんね。

防衛をちゃんと考えてるなぁ。


扉に似合わず、中は広い部屋だった。

赤い絨毯の先の1段高い所に座ってるのが王様だろう。

左右には年配の女性と若い男が1人づつ立っている。

多分、王妃と第一王子じゃないか?


赤い絨毯の左右には貴族か文官か武官が並んでる。

この人達は殺気立ってるね。

王様達が平気そうな事の方が不思議だけど。


王子様は俺達から離れて、王様の下に移動した。

俺達はそのまま進み、王様から3mくらいの所で立っている。


「お前達! 平伏しないか!」

「良い。聞けば異世界からの使者だそうだ。立場は対等である」

「しかしですね……」

「私が良いと言っているのだ!」

「ははっ! 失礼しました!」

「使者殿、失礼した。私が王のフブキだ。

 此度は勇者についての話があるそうだな?」

「私は福田と申します。こちらはナグラです。

 私達は、異世界より勇者を捕獲する為にやってきました」

「ふむ。なかなか興味深い話だな。

 だが、そのまま鵜呑みにする訳にもいかん。

 何か証拠はあるのかな?」

「そうですね……。そちらのヒムカ王子が見られた異世界の魔法では証拠になりませんか?」

「ほう……ヒムカよ、どうだった?」

「凄かったです!

 何も受け付けない結界という物! 船を一瞬で沈める攻撃魔法!

 場所を移動したかと思えるほどの豪華な馬車!

 そしてこちらの言う事を理解し会話する馬! どれもがこの世界ではありえませんよ!」


王子様よ。馬車と馬の話だけで良かったんじゃないかな?

周りの人達の殺気が膨れ上がってるんだけど。

俺の心配など気にせずに、まだ喋るようだ。


「後、信じられないくらいモンスターを従えてます!

 そこに居る虎、蝙蝠、蟻、だけでも驚きですが、多数の立派な蟻も見ました!

 その多数の蟻は、現在城の下に潜っているらしいです!

 離れてても命令出来るそうなんですよ! 凄いですよね!」


王子王子。

それは凄いになってません。

間違い無く威嚇に思われてます。

ほら、武官みたいな人が剣に手をかけてますよ?

今にも抜きそうですよ?

それ見てガーも警戒し出してるじゃないですか。

いい加減黙ってくれませんかね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ