表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
898/949

上陸!

早速港に馬車を出す。

船から船と同じくらいの馬車が出現したので、滅茶苦茶驚いてるな。

ちなみに馬車の結界で押しながら出たので、兵士が潰される事は無い。

将棋倒しみたいになってる所があるけどさ。

このくらいの人間の数なんか問題無し!と2頭の馬がグイグイ進んでるんだもん。


馬車が完全に上陸したので、俺達も馬車に転移。

御者が居なくても良いってのは楽だね。

だが、進むべき方向が判らない。

城に向かえば良いって考えてたんだけど、城が見えないんだよな。

デッカく目立つと思ってたのに。


しょうがない。

周りの兵士に聞くか。

でも姿を見せるのはなぁ……。

噂の事もあるし、勇者組が乗ってるとしたいんだよね。

あっ、俺は勇者の執事って事にするか。

で、ナグラさんが勇者組の1人。代表して話に来た。うん、そうしよう。


扉を開けて外に出る。

うわぉ! 槍や剣が一斉に俺に向いてるよ。

ダメージを受ける事は無いと判ってても、結構怖いぞ。

えっと、交渉、交渉。執事風に。

無理だ! ヒタキさんみたいに出来ない!


「少々お待ちを」


それだけ言って、馬車に戻る。

ナグラさんが不安な顔をしてる。


「早かったけど、どうしたの?」

「執事風に演じようと思ったんだけど、無理でした」

「はぁ?」


不安顔が一気に呆れ顔になった。

だって、近くに完璧な執事が居てそれを見てると、あれが基準になるんだよ!

今から戻って執事教育してもらうか?

いや、そんな時間は無い。

そうだ! ヒタキさんに監修してもらおう!


家に戻ってヒタキさんに事情を話す。

快諾してくれた。良かった。


再度馬車に移動して、ヒタキさんには『隠蔽』をかけて一緒に降りる。

ヒタキさんは俺のすぐ後ろに立っている……はずだ。

全然判らないわ。凄いな、『隠蔽』。

俺はヒタキさんから言われた通りに動いて喋るだけの簡単なお仕事です。



はい、簡単ではありませんでした。

まず立ち方から指導が入りました。

足を揃えるとか背筋を伸ばすとか。

喋る事になるまで5分は使いましたよ。


「お待たせして申し訳ありません」

「何者だ!」


他の兵士とは違う鎧を着ている人が代表して答えてきた。

まぁ、答えじゃなく、質問だけどさ。

近衛兵とかかな? もしくは騎士団長?


「私達は『勇者捕獲』が目的の勇者です」

「どういう事だ?! ランテビオの回し者か?!」

「あの国は無断で『勇者召還』を行いました。

 その独断専行を罰する為にこの世界に顕現しました。

 まず、勇者の捕獲が優先ですので、協力をお願いしに参上したのです」


頑張って喋ったのだが、ヒタキさんから注意された。

文章が変なんだってさ!

頑張って難しい言葉を使って喋ってるつもりなんだよ。

政治家みたいに言葉でうやむやにするのって難しい!


「城まで案内して頂けますか?」

「お、お前のような怪しいやつを連れて行くわけにはいかん!」

「こちらの力は既に判っているでしょう?

 近寄る事も出来ないのですよ? 逆らっても良い事はありませんよ?」

「脅す気か?!」

「いえ、そんなつもりはありません。

 ここでこうして話していてもどうしようも無いでしょう?」

「じゃあ、私が話を聞こう」

「王子?!」


まさかの王子様出現です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ