突然、運について考える
領主の屋敷に到着!
潜入する前に運を使っておく。
今回はかなりアバウト仕様だぜ!
『何か上手い事行きますように』
具体的な内容を思いつかなかったんだよ。
だもんで、こんな感じになった。
そこで、新たな発見である!
今までは内容に応じて減る運が変化していた。
例えば『危険回避』だとしよう。
大概が1しか減らないが、即死レベルだと大量に減る。
だが、『相手の攻撃を回避する』だと大体1で確定なのだ。
しかし相手がトムさんとかになると2とか3とかになる。
まぁこの辺は良く判らない。
検証とかしたくないし。
何が言いたいかというと、「願い事が限定されるほど、運の減りが少ない」と言う事。
だから『危険回避』と願うよりも『相手の攻撃を回避する』の方が消費が少ないのだ。
そこで今回の願い。
『何か上手い事行きますように』
アバウトだ。アバウト過ぎた。
運が20も減ってしまったのだ!
ここからは仮定だが、対象が1人の場合と多人数の場合の差ではないだろうか?
さっきのようにトムさん相手なら2~3で済む事。
だがこの減りようは多すぎる。
だから、領主以外にも護衛やヘタすれば町の人達にまで範囲が広がってるのでは?
いや、待て。
こちらの世界と言うか大陸では運は通用しない。
それを補助する為に『混沌』があるのだ。
これは確か半径10mほどだったはず。
ではどうやって作用するの?
これも憶測だが、有効半径に入った瞬間から作用し始めるのではないだろうか?
運自体は空気みたいな物だと仮定しよう。
俺が願った瞬間から漂い始める。
だがこの大陸では作用しないが、漂ってるとしたら?
『混沌』の範囲に入った時から作用し始めるが、実は潜在的には作用してるのかも?
まぁ、これらは全て推測だ。
詳しい事はカオス神じゃないと判らないだろう。
もしくはイイクラさんかな。
今判る事は、減った運をどこかで小さな不幸を起こして回復させなきゃいけない事だけ。
それと、こんなにも減ったのだから、早くここをクリアしないと、って事。
早速『隠蔽』を使って屋敷の中へ。
丁度執事のような人が屋敷に入ろうとしたので、一緒に入る。
まるでオートロックのマンションに侵入するみたいです。
「お帰りなさいませ」
「領主様は政務室でしょうか?」
「はい」
「判りました」
扉の所に居たメイドさんとの会話です。
会話してる間は扉は開きっぱなしでした。
潜入、楽勝。
ついでに情報も入手。
運、良い仕事してますね~。
政務室とやらは何処か判らないが、何の問題も無い。
この執事さんがそこに向かっているから。
後ろを付いていけば良いだけです。
某RPGの気分ですね。
ナグラさんも判ってるのか、わざわざ俺の後ろを歩いている。
『隠蔽』で隠れてるけど、もし見えたら滑稽なんだろうなぁ。
2階の一番奥の部屋が目的の部屋なようだ。
到着すると執事さんがノックする。
中からは「入れ」の声が。
しかし、執事さんは邪魔だな。
もし揉めるとなれば、この人も取り押さえないといけなくなる。
そう思ってたら、執事さんは何か忘れ物をしたらしく、Uターンして急いで去って行った。
ノックしたのに良いの?
もしかして忘れ物の常習犯?
まぁ、これも運の力だろう。
許可も貰ってるし、お邪魔しま~す。




