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超大問題

「貴方の想像している通り、その椅子はクリューに落ちました」

「あっ、やっぱり」

「それを発見したのは息子だったのですよ。

 問題は、息子には外見は教えてましたが機能までは言ってなかったんです」

「何でですか?! 重要な部分じゃないですか!」

「さすがに身内の恥なので……言えませんでした」


た、確かに。

母親を貶める為に作ったとか言えないわな。

息子さんからすればお婆ちゃんの話だもん。


「息子は作った世界に行くのは初めてで。

 歓待されて調子に乗ってしまったんです。その場で椅子に座ってしまったんですよ……」

「伝えておかないから!」

「ええ、仰るとおりです……」


そういえば、神話ってうっかりの神様が多いよね。

神は完璧ってのよりも信じられるけどさ。


「それで、どうしたんですか?」

「夫婦で息子を探しに行きました。

 その日に探していた場所は判っていますから、3件目にして発見できました。

 そして捕まっている状態を見て、驚愕しましたよ」

「そりゃそうでしょうね」

「あの椅子に座った状態だと、この世界の人間でも殺す事が出来るのです。

 勿論、殺すと脅されましたよ」

「どこまで高性能の物を作ってるんですか!!」

「こうなるとは予想してなかったのですよ!!」


無駄に高性能過ぎる!

そこまでして母親をハメたかったのか?

いや、違うな。十二神が関係してるって辺りにヒントがありそうだ。

多分だけど、全員が悪ノリして付与しまくったんじゃないだろうか?

そして最強、いや最凶の物が完成した、と。

うっかりじゃなくて、バカばっかりなのか?!


「幸い、椅子の拘束は3日で解けるので要求を呑むフリをして引き伸ばしてたんです」

「要求って何だったんです?」

「全ての国を支配したいってバカげた物でしたよ」

「……。まぁ神様相手に交渉するなら、それくらい言うかもしれませんね。

 アホな要求ですけど」

「しかし、3日経っても解けなかったんです……」

「何でです?!」

「この世界と時間の経過が違うからですよ。

 私達の世界で3日でもこちらでは300年ですから」


300年!!

長いっ!!

それだけ拘束されるって地獄じゃないか!


「何で他の神様と相談してないんです?」

「3日で解けるならまぁ良いかなと……。

 解けない理由が判った時には夫婦でパニックになりました……」

「まぁ、そうでしょうね。それで?」

「要求を飲みました……」

「何で?!」

「作戦ですよ! 要求を飲んで開放されたら殲滅してやろうと考えたんです!」

「あ~。で、開放されなかったんでしょ?」

「……はい」

「やっぱり。で、要求を飲んだって事ですけど、どうしたんですか?

 何とな~く、何をしたか判ってるんですけど」

「……日本から勇者を召還」

「……やっぱりですか。何で日本なんです?! 異世界なんて山のようにあるんでしょ?!」

「たまたま仏様と懇意だったってのもあるんですけど、ダヒュテムの事で隙があったんで……」

「は~……」

「呆れないでください!

 ちゃんと保険はかけたんですから!」

「……一応聞いておきましょうか。

 どんな保険ですか?」

「友人を『勇者召還に巻き込まれた者』として同行させました。

 その人は冷静に物事を考えられる人だから、勇者を止めてくれると考えたんです!」

「……止めなかったんでしょ?」

「……はい」


だろうな。

ラノベでは保身の為に止めないパターンばかりだ。

大体、謁見の間とかに連れて行かれて、王族や貴族の前で止められるようなやつはいないだろ。

せいぜい、自分は参加しないって表明するくらいじゃないか?


「一応、もう1回聞きます。

 その後、他の神様に相談は?」

「してませんよ! 出来る訳が無い!

 他の世界の人間を拉致してるんですよ! 大問題です!!」

「相談して無い事が大問題でしょうが!! 現状、国土を広げまくってるみたいだし!!」

「うるさいです!! だから今、貴方に相談してるんでしょうが!!」

「逆ギレすんな!!」

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