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クリュー大陸の事を聞く

報酬を受け取ったので、帰る事に。

商人ギルドへ行くという選択肢もあったけど、建築魔法紙が無い。

サガワさんに2~3枚を見本で渡してきたからなぁ。

揃ってないので、まだ行く必要は無いだろ。

はっきり言って、別に売らなくても良いんだしさ。


家に帰って、改めてこの大陸の事を聞く事にしたんだ。

もう1週間以上居るのに、何も知らないからね。

講師はハーメルさんだ。


「この大陸は8つほど国があります。その内1つは島国ですが。

 中央にランテビオ大帝国があり、その北にガイガン国と島国のギラアンスがあります。

 西にはオルガ連邦、南西にカメーバ国、南にガバラ国、南東にバラン国。

 そして、東に我々の居るオルトの町があるマンダ国です。

 ざっくりした説明なので、こんなものかと思っていてください」


7つの国に1つの島国ね。

それにしても、どの国も某怪獣映画に出てきそうな名前だなぁ。


「一番大きい国はランテビオ大帝国です。逆に一番小さい国は大陸内ではガバラ国です。

 島国のギラアンスは、ガバラ国の約1/10程度です」

「そのランテビオってのは、どれくらいなの?」

「大陸の約半分を国土に持つと思って良いです」

「デカいな!」

「ええ。圧倒的な武力で他国に戦争をしかけて自分の国土にしてきましたから。

 元々は、大陸にある国の数は20だったのですよ」

「14国分か?! そりゃデカいよな」

「そういう事です」

「で、自衛団でも話してた事に繋がるのね?」

「そうです。今でも国土を広げようとしています……」


まだ広げる気かよ。

大陸統一でもする気なのかね?


「戦争してるの?」

「いえ、今は表立っては戦争をしていません。

 搦め手を使っています」

「例えば?」

「領主に賄賂を贈ったりして懐柔し、裏で取引します。

 狙われた国のほとんどの領主が寝返った時に戦争を起こし、一気に制圧するんです。

 近年、それでマンダ国の北にあったギドグラキン国が滅びました。

 方法はそれだけではありませんが、色々な手を使ってるらしいです」

「だから、今回の領主の事が、ランテビオ絡みだと思ったんだ」

「そうです。ここはマンダ国でも東の端なので、狙われたと思います。

 まぁ、どこにも証拠はありませんが」


なるほどね。

証拠は無いけど、今までの流れから怪しいって事か。

ただ、今回は領主がバカ過ぎたので発覚して潰されたって訳か。


「そう言えば、簡単に息子が領主代理になったけど」

「ええ。国も懸念しているのでしょう。

 時間をかけて新しい領主を置くのは危険ですので、息子を認めたのでしょう。

 勿論、改心していなければダメだったでしょうが」

「そういう事か~。政治って難しいね」

「特に隣国と接している地域の領主は、監視されていると思いますよ。

 今回の事も、実は国が主体でやっているかもしれません」


あ~、表立って国が動くとマズいのか。

難癖つけてきそうだもんな。

だから、自衛団や警察に任せたって事ね。

任せるフリして、実は国の兵士も混ざってた可能性もあるな。


「それにしても、何でそんな搦め手になったんだろう?」

「効率的になったのは、新しい軍師が来たからという噂ですね」

「へ~、そうなんだ」

「ええ。その軍師ですが、知略だけでなく、武力も高いらしいですよ。

 かの国では勇者と呼ばれているとか」

「勇者?!」

「まぁ、呼んでいるのはその国だけですけどね。

 あぁ、そう言えば、髪を黒く染めているとか」


……なんだろう。

凄くイヤな予感がする。

黒髪で勇者と呼ばれ、軍師になった途端に知略を使い出した。

そして武力も高い。

ちょっと、情報を集めてみないといけないな。

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