クーデター後
それから2日経った。
その間は大した事は起きてない。
ハーメルさんが知らない世界に興奮しすぎて、警察に連れて行かれそうになったくらいだ。
同行してたカンダさんが何とかしたらしいけど。
ついでに言えば、仕入れまくろうとしたがこちらのお金を持ってない。
向こうのお金で買い物しようとして、贋金で捕まったくらい。
これは俺が城に行って開放してもらった。
こちらの物をあまり新大陸で流通させる気が無いので、ハーメルさんには個人的な買い物しか許していない。
俺達の逆で、こちらのお金を持っていないのだから。
こっそりと買おうとしてたが、帰れなくなりますよと言うとしぶしぶ諦めた。
新大陸へ戻り、自衛団に行く。
進捗情報を得る為だ。
「こんちは~」
「おお、福田さんじゃないか! 家まで行ったのだが留守だったぞ。
どこに行ってたんだ?」
「あ~、森で狩りを……」
「夜に行っても居なかったんだがな……」
「泊まりで狩りを……」
「まぁ良い。無事に終わったので報酬を払おうと思う。
まずは口止め料20万だ」
「はい、確かに」
「次は盗賊の件だな。
捕まえたのが20人。その内指名手配されてたのが3人居たので、合計で167万だ」
「内訳は?」
「指名手配が1人50万、他は1万だ」
指名手配されてないと安いな~。
まぁ、バウンティハンターして儲けようと思ってないから良いんだけどさ。
「そうそう、ハーメルさんには10万が戻ってくるぞ」
「やはり10万だけですか……」
「そこは諦めてくれ」
「判っています。帰ってくるだけでもありがたいですから」
「すまんな。
それと回収してきた盗賊の物だが、選定にまだかかりそうだ。
悪いが福田さん、待ってくれ」
「あぁ、別に急いでないですから」
正当な持ち主に返却とかあるもんな。
ウソ言って多く取ろうとするヤツも居るかもしれないし。
名前でも書いてれば信用されるだろうけど。
「ところで、どう決着を着けたんですか?」
「ん? ああ。
息子を解放し、屋敷に入れさせた。
その息子の手引きで夜に突入して領主を捕まえたよ」
「へ~!」
「あの息子の変わり様はなんだ?! 福田さん、何をしたんだ?!」
「いや、穴に閉じ込めて本を読ませただけですけど?」
「生き方を180度変える本か。俺も読んでみたいものだな」
読まない方が良いです。異世界のラノベなので。
中二病をこれ以上増やしてたまるか!
「しかも暫定的だが、息子が領主代理をする事になったぞ」
「マジですか?!」
「あぁ、マジだ。私財を使って住みやすい地域にすると息巻いてたぞ」
「は~、そこまでですか……」
「何か、ポンプポンプと言ってたがな」
まだ諦めて無かったのか。
ポンプじゃ知識チートにならないから、止めなさい。
「そうそう、取り巻きの4人も良い働きをしてたぞ」
「あいつらも解放したんですか?」
「さすがに息子1人だけだと怪しまれるんでな」
確かに。
しかし、そんなに変わるもんかねぇ。
ラノベ、恐るべし!!
「しかし、今回の件もどうせ大帝国絡みなんだろうなぁ。
何の証拠も無かったけどよ!」
「あ~、やっぱりそうですか」
ん? 二人して何を納得し合ってるんだろう?
大帝国絡みって、どういう事?
何か有名な話っぽいんで、その場は頷いておいたけどさ。
帰ったらハーメルさんに聞いてみよう。




