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フリーパス

ちなみにこのフリーパス、馬や従魔も1人と数えるらしい。

ただ、移動させても良いと判ったのは良かった。

ついでに言えば、馬車はNG。そんなに大きいのは通らないんだってさ。


今日は丁度騎乗だったので、そのままコルラド国に移動してみる。

馬や従魔と一緒に移動する場合は違うゲートなんだってさ。

そこは建物から一旦出て、屋根だけある場所だった。

2頭と一緒に順番待ちをしてると、前の方の商人が苦労しててなかなか進まない。

どうやら馬が黒い霧のようなものを嫌がってるっぽい。

人間は理解してるけど、動物から見れば不気味なんだろうな。

どの馬も大小あれど怯えているようだ。うちの2頭はケロっとしてますけど。


結局商人は順番を後回しにされてた。

俺達は何の問題も無くゲートをくぐる。

到着すると、そこは室内だった。

広さは10m四方って感じ。天井も高い。

見た感じ、元軍隊の練習場だったのではないだろうか?


兵士の人が、こちらにお並びくださいと誘導している。

素直に並んでると、前から順番にチケットの確認をしてきた。

そして何人かは違うゲートに向かわされた。

チケットで受付が変わるのだろうか?

それとも何か違法行為をしたのだろうか?


「チケットを拝見致します」

「あ、はい。国境というか、ゲートとは違うのですか?」

「事前にチケットを確認して振り分けているのですよ。

 あちらは商人用のゲートです。この列は一般人用ですので」

「あぁ、そういう事ですか。

 所でチケットって持ってないんですけど……」

「えっ?!」

「その代わり、これでOKですか?」

「こ、これはフリーパス! 少々お待ちください!」


その兵士は慌てて違う兵士を呼んだ。

新たに来た兵士が続きをするようだ。


「すみません。ではご案内致しますので、付いてきて頂けますか?」

「あ、はい」


俺達だけ違うゲートのようだ。

って思ってたら、横にあった扉を開けて中に入らされた。

その扉の中は小部屋になっていて、馬と俺達と兵士さんで結構ギュウギュウだ。

こんな狭い所で荷物チェックとかするのかと思ったら、その先の扉が開いた。


「お疲れ様でした。どうぞお通りください」

「……え~と、チェックとかは?」

「必要御座いませんよ」

「そうなんですか? じゃあこの小部屋は?」

「無許可の者や不審者が通らないようにする為の処置です」


あぁ、なるほどね。

直接外に出るとなると、後ろで隠れてた関係無いやつが無理矢理突破出来るもんな。

ワンクッション置く事で直接外に出られない仕組みなんだな。


「判りました。所で、ここはどこになります?

 初めて利用するので、どう進めば良いか判らないんですけど」

「左様で御座いますか。どちらに御用でしょうか?」

「そうですね……。あっ、王城に行きたいですね。

 モリタ君……いや、モリタ殿下に会おうと思います」

「えっ?!」

「あれ? 遠いですか?」

「いえ、そうではありません。王都までは1本道ですので。

 そうではなく、殿下に会われるのですか?」

「ええ。無理ですかね?」

「え~と……すみません、お名前をお伺いしても宜しいでしょうか?」


あっ、そうか。

突然やってきて、王族と会うって言うヤツは怪しいよな。

ラノベとかで誤認逮捕とかされるパターンをやってしまった。

ただ、この兵士は怪しいヤツ!とか騒がずに名前を聞いてきたね。

まぁ、これが普通の対応か。

知らない名前なら、改めて調べれば良いんだしな。


「福田哲司と言います」

「ふくだてつ……ああっ?! 福田様ですね!!

 聞いております!! ご案内致しますので、少々お待ちください!!」


結局、この兵士さんが城まで案内してくれる事になった。

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