再会
「アサイさんですよね?」
「そうです。アサイです」
「うわ~お久しぶりです!!」
「はい、すみませんでした~~~~!!」
えっ? 何が?
「あっ、覗き見の件ですね!」
「違いますよ」
「いえ、違ってもそれは謝罪してくださいよ!」
「趣味ですから」
「悪趣味だな!」
じゃあ何だろ?
「あっ、判った! 街道のどちらに行けば町に出るのか教えてくれなかった事だ!」
フュ~フュ~
「鳴らない口笛で誤魔化さない!」
「……その件についても、謝ります。でも違います」
え~、何だ~?
「あっ、大人はレベル10が普通なのにレベル1だった件!!」
「それはイイクラの失敗です」
「同じ三途の川の受付じゃないですか!」
「上司の失敗は上司のせいです。部下の失敗も上司が責任を取りますが」
「ジャイ○ンか! じゃあ上司が来るべきじゃないの?」
「もっと上の上司に命じられて来ました」
「もっと上? あっ閻魔様か?!」
「ピンポ~ン! 正解!」
軽いわ!
謝りに来たくせに軽い!!
「で、結局、何なのです?」
「実は……あの~覚えてますか? 貴方の幸運ポイントが60だった事を」
「え~と……あ~たしかそれで抽選をしたんですよね?」
「そうです。抽選した回数は覚えてます?」
「たしか……50回だったかな?」
「正解! では次の問題です! いくらポイントが余っているでしょう!」
「クイズかよ! あれっ? たしかに10ポイント余ってるような気がする……」
「正解で~す! 貴方は10ポイント残したまま転生しちゃってま~す!」
「段々と思い出してきたぞ?! あの時たしか『終わってから考えましょう!』みたいな事言ってた!!
で、『さぁさぁ引いて引いて』って急かしてた!! 引いたら興奮して上司呼びに行った!!」
「チッ。……まあそんな感じですかね?」
「舌打ちした!! 俺の記憶が合ってたんだ!!」
「はいはい、合ってますよ。その通りですよ」
「今度は逆ギレ!!」
「で、その事が監査で閻魔様にバレまして派遣されました」
「流した!話題変えた!」
「いいじゃないですか! もう終わった事ですよ。水に流しましょう」
「それは俺が言うセリフ!!」
「まあまあ落ち着いて。ちょっと馬車の中で話しましょうか?」
「それも俺のセリフ!!」
結局馬車の中で話をする事になりました。
「で、閻魔様からの命令は何なの?」
「その前にお茶くらい出してくださいよ。頑張ってここまで来たんですよ?」
「あの時に頑張ってたら、来なくても良かったんですけどね?」
フュ~フュ~
「だから鳴ってないって!! あ~もう、俺もツッコミすぎて喉が渇いたわ。お茶入れよう」
「女性に対して『ツッコミすぎて喉が渇いた』なんてセクハラですよ?」
「イイクラさ~ん! 閻魔様~! こいつをどうにかして~!!」
「やめてください! 本当に聞いてる可能性があるんですから!! イタッ!!!」
何も無い空中からデカイ金盥がアサイさんの頭に落ちてきた!
コントのようだが、正に天罰!! ボワ~ンと良い音させてた。
これで、紅茶を入れて、落ち着いて話す事が出来そうだ。
久々の登場です。
伏線(?)を回収しに来ました。
この人が出てくると話が進まなくなるんですよね…




