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闘技場に到着!

嫌な予感がしつつも昼休憩後も進む。

馬車が壊れないか心配だが、早足で進んでもらった。


するとまた木陰から人が飛び出してきた。

今度はドワーフだ。


「どうも! しゃーばーに乗ってる、にんしょうさん!

 ちょっと私とひきとりしませ……あー、待ってくださいよ!!」

「待ちません!」


無視して通り過ぎてやったわ。

最初からこうすれば良かったな。


「今の人、業界用語使ってなかった?」

「知らない知らない」

「だって『馬車に乗ってる商人さん。私と取引しませんか』って言ってたと思うよ?」

「何でナグラさんが理解出来るのか不思議だが、気のせいだって。

 相手してたらいつまで経っても着かないしさ」

「まぁ別に私も用事がある訳じゃないから良いんだけどさ。

 でも……気にならない?」

「ならない! 到着までもう止まらないからね!」

「あっそうですか。面倒なんだね」


その通りです。

気疲れするだけだから。



って事で馬車をひたすら走らせ、夜には闘技場のある町に到着した。

夜には入れないそうなので、門の近くに馬車を止めて、馬車の中から家に帰った。


翌日。

馬車に戻ると、既に開門していた。


「モスラの町にようこそ。入町税は1人1000円だよ」

「あっ、はい」


デカい蛾が飛んでそうな名前の町だな。

闘技場で怪獣が戦う訳じゃないだろうな?


税金を5人分払うと、闘技場について書かれているパンフレットのような物をくれた。

それによれば、闘技場では毎日色々な競技をしているそうだ。

人間同士が戦うバトル、流鏑馬、従魔同士を戦わせるバトル、魔法を競うバトル、等々。


入場料は500円。賭けに参加するなら更に500円。

競技に参加するなら5000円、保険料が1万円、とまで書いてある。

やはり誰もが闘技場目当てなんだろう。凄く詳しく書いてある。


今日行われているのは、魔法を競うバトルだ。

興味があるので、闘技場に向かう。


モスラの町、闘技場。こうやって言ってるが、実はどちらも事実で事実じゃない。

何故なら、このモスラの町自体が巨大な闘技場なのだ!

イタリアのコロッセオのような作りで、宿屋も食堂も全て闘技場の中にある。

その中の中心部が競技をする所になっているらしい。


パンフレットによれば、昔ここは砦だったそうな。

戦争が無くなり平和になったら、使われなくなった。

それをもったいないと思い、3世代後の王様が闘技場として利用する事を考えたらしい。


内部は7階建てで、上の階ほど物価が高いそうな。

何故なら、上の階になるほど闘技場の中心部が見やすくなるから。

1階にある宿屋なんかは全然見る事が出来ないので、1泊5000円。

7階の宿屋は1泊10万円もする。当然1人の値段だ。


宿の事は後回しにして、闘技場(中心部)に行ってみる。

お金を払って渡されたのは、魔法石を利用した入場券。

実はこれ、ICチップのようなもので、本人認証まで出来るという優れもの。

渡される時にリトマス試験紙のような物を舐めされられた。

それで登録されるそうだ。

ラノベによくある、血を1滴じゃなかった。

まぁ、どちらも体の中にある物だし、血の必要は無いよね。

むしろ何故血なのか不思議だ。


廊下には所々にゲートがあり、入場券が反応する。

だから関係無い所には入れないのだ。

出口にて回収されるので無駄が無いし、提出しないと出られないので持ち逃げ出来ない。

見事なシステムだ!

日本でも転売出来ないようにこういうシステムにすれば良いのにな。無茶苦茶コストが高いだろうけど。

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