新大陸で初ギャンブル
翌日、商人ギルドに行ってハーメルさんの再登録手続きをした。
連絡はまだ来てなかったので、仮手続きしてお金を払う。
連絡が来て確認が取れれば、すぐに発行してもらえるらしい。
物件や土地について聞いてみたが、やはり怪しいのは無かった。
まぁ、そんなのがあれば何らかの処置してるよね。
毎日のようにギルドに通っていたので、意外と親しくなったのか、受付の人が情報をくれた。
貰った情報は2つ。
1つは土地に関する事。
俺が『転移板』を設置した林だけど、領主の直轄地らしい。
誰の物でも無かった場所を勝手に直轄地としたらしいのだ。
今回の件が終結すれば、フリーになるそうな。
そこを開拓して家を建てるならOKなんだってさ。
勿論それに関する手続きをちゃんとして、手続き料や税金を払えばって事だけど。
簡単に言えば、俺に開拓させて町を広げようって事みたい。
その分、安くしてあげますよ~って作戦だね。
ナグラさんは「村開拓ね! あるある! そういうゲームやってたから任せて!」とノリノリだったけど……。
村にするまでやる気は無いんだけどな。
もう1つは、本日町の中央の広場でギャンブルが開催される事。
競争させて1着と2着を当てる物だってさ。
競馬かな? でも町の広場でやるには狭いよね。
どこかの水族館でやってたようなカメとかのレースか?
ヒマなら参加して欲しいって言われた。
開拓についてはハーメルさんの再登録後に考えよう。
とりあえずはする事も無いし、ギャンブルでもしますかね。
手持ちのお金が増えるのは悪くないし。
そう考えて皆で町の中央に来た。
うん、結構な人が居るなぁ。
しかし、何故か女性が多いような……。
あっ、日中だから、男は働いてるのか?
何と、このギャンブル。
赤ちゃんのはいはいレースでした。
こんなのギャンブルにして良いのか?!
って思ったが、仕組みを聞いて納得。
まず、出走(?)する子供の親には養育費がここからプレゼントされる。
1~3着は増額されるが、出るだけでも貰えるので完走しなくても問題無い。
そして配当だが、こちらはお金が貰える訳じゃない。
この町の特産品とかが貰えるのだ。
外れてもこの町限定の5%割引券が貰える。
つまり賭けたお金は養育費になるって事。
だから薦められたのか。
賭ける人が増えるほど、貰える養育費も増えるからね。
そういう事なら、賭けましょう。
1口5000円と高価だが、結構売れている。
ちなみにこのレースは有名だそうで、周辺の村や町からも人が集まるんだってさ。
元々は海で死んだ漁師の奥さん達に援助する為に始めたらしい。
丁寧な事に、はいはい新聞なる物まで発売してた。
1部買ってみたが、それには出走する子供のデータが書いてある。
名前、生年月日、はいはい歴何ヶ月、最後には親の絵まで。
親の絵には下に○とか×とか書いてある。
実は、この○×、まだ結婚する気があるかどうかという意味なんだって。
奥さんの再婚相手を探す意味もあるのか。すげーな。
こういうのに、さすがに運は使えないわ。
はずれてもいいし、当たっても貰いづらいし。
皆で予想して、1人2口づつ購入した。
そうそう、1人で何口も買っても良いけど、同じ組み合わせを何口も買っても貰えるのは1つだけ。
買った分だけ貰えないんだってさ。
俺は3番の子を軸に3-4と3-5を買ったんだけど……。
スタートしてすぐに、5番の子は泣き出してしまった。
3番の子はゴールに居る親に一生懸命向かって行ってたが、途中で観客席に興味を持ってしまい逸れていった。
4番の子? スタート地点で寝てる。
結果、1-9となり外れてしまった。
コタニさんが的中してたよ。
受け取りはその子供達と会いながらするとあって、嬉しそうに向かっていった。
子供好きなのね。




