従魔大活躍?
皆さんこんにちは。福田哲司です。
ただ今、現場では盗賊と出会っております。
たった1人に対して、10人も出てきています。
エルフだけかと思ったら、ドワーフと思える人も居ました。
これがドワーフとの初対面だと思うと悲しくなります。
とのんきに解説してみる。
だってなぁ、手持ちの武器もさ、ナイフや包丁だよ?
ヒドいやつにはるとさ、竹槍だったりするんだぜ?
そりゃ自衛団が来たって出てこないよ。あっちは剣とか持ってるもん。
折角エルフが居るんだから、どっかで弓を構えてるヤツも居るとは思うけど。
盗賊って言うよりも、野盗って言う方が合ってる気がするよ。
こんな相手にトムさん投入する? 絶対こっちが悪者に見えるね。間違いない。
「おう、兄ちゃん。その荷物を置いていきな。命までは取らねぇよ」
「はぁ……。セリフまでショボいのか……」
一応ネットでICレコーダーを買っておいて良かったよ。
こんな連中をボコボコにして捕まえても、俺が犯罪者になるわ。
過剰防衛って言われるならまだしも、俺が無実の人をボコボコにしたって言われそう。
面倒なので、さっさと終わらせようか。
「え~、貴方達の喋ってる事は全て、え~と、そう、魔法道具によって保存されています。
これは後に証拠として使うので、ご了承くださいね~。降参するなら今の内ですよ」
「何言ってんだ、おまえ。そんな物ある訳ないだろ。
それにお前が生きて帰らなければ関係ねぇだろ」
「はいはい。貴方の常識はどうでも良いです。
それに今の発言は殺すという意味ですね? そして貴方達は盗賊ですね?」
「あぁ、盗賊だよ。その魔法道具とやらも頂いてやるよ」
「はい。判りました。では交渉決裂って事で。
じゃあ、皆、殺さないようにね。あっ、後、どこかから弓で狙ってるかもしれないから、それもお願いね」
そう言い終わると、リュックからはリーとチェンが飛び出した。
腕時計からはガーが。俺のフードからはチョロが弓兵を捕まえに行った。
ケロは俺の横でケルベロスに変身(?)してる。
俺がヒヨのアゴの下を撫ぜてる内に、戦闘というか蹂躙は終了してた。
1分もかからなかったんじゃないかな?
逃げ出したのを捕まえに行ってた感じだったし。
お陰で皆不満そうだ。
「ご主人様だけでも問題なかったんじゃないかにゃ~」
「そうかもしれないけどさ。一応従魔使いってキャラで行こうと思ってるからさ」
「キャラ……。今更無理だと思うけどにゃ」
「大丈夫! ここでは俺の事知られてないから! いける!」
「そうかにゃあ……?」
ヒヨとのんきに会話してる間に、全員が1箇所に集められてた。
ん? 12人居るな。やっぱり弓兵が居たのか。
「増えた2人はどこから?」
「1人は木の上で弓を引いてましたぜ。もう1人は離れた所からこちらの様子を伺ってやした」
「へ~」
多分、こいつら下っ端なんだ。
で、見張りが付いていたんだろうな。
失敗したらトカゲの尻尾切りする為、成功した場合はネコババするのを監視する為。
さて、全員に尋問して、アジトを襲う……いや、捕まえに行くかね。
溜め込んでたら良いなぁ。
「さて、引き続き、喋る事は保存されてるからな。
盗賊のお前達の上が居るんだろ? どこに居る?」
「保存してると知ってて言う訳無いだろ!」
「そうか~、そうだよなぁ。
じゃあ、どうしようか、そうだ、こうしようか。
ガー、そしてケロ。全員運ぶのは面倒だから減らすか。一人づつ食べて行っても良いぞ」
「お前! 脅迫かよ! 保存されてるのに良いのか?!」
「あぁ、俺の喋った部分は消すから大丈夫!」
「汚ねぇぞ!」
「はっはっは。何を言ってるのやら。
さ、喋らないなら1人づつ減っていくぞ~。
誰から減らそうか? やっぱり弓兵か? それとも見張ってたヤツ?
小便はすませたか? 神様にお祈りは? 部屋の隅でガタガタ震えて命乞いをする準備はOK?」
「お前はどこの吸血鬼だよ! 外だから部屋の隅なんかねぇよ! あっ、すみません、喋ります」
ケロが2つの口を大きく開けただけで、簡単に陥落した。




