久々のギルド
警察を出た俺達は、家に戻った。
本当はあのままフラフラして、晩飯も本に載っている店に行くつもりだったんだけど。
何か疲れたよ。
キジマさんは加護のお陰か、食欲も安定してる。
なので、買ったすき焼きを渡しておいた。
さすがに2人前は多いようで、ヒヨやケロにも食べさせてた。
ネコと犬だけど、食べて大丈夫なんだろうか?
あっ、モンスターだったわ。
翌日。
新大陸までは後3日。
今日はアンドロイドの提案で、島を見て回る事に。
持ち主なのに、集落・ダンジョン・港・ビーチ、これだけしか知らないのは問題だと。
という事で、ソーラーシステム・滝・蓄電所を見て回った。
その後は温泉に向かった。
途中にダンジョンがあるので寄ってみたが、モコが他の従魔と一緒にレベル上げをしてた。
ナグラさんの従魔も一緒にやっている。
1匹だけは『放置プレイの上、ダンジョンのモンスターからの陵辱……ハァハァ』とレベル上げでは無い感じだけど。
温泉に浸かってのんびりした後は、温泉の裏手に広がる放牧地を見学。
どこから連れてきたのか知らないけど、牛や豚が放されている。
2頭の馬もそこにいた。
普通はさ、犬が監視してるじゃない?
ここでは2頭の馬が監視してるんだよね。
まぁ、君達は魔改造されて強いけどさ。
これで見てない所は、火山と森だけ。
山に登るのは大変なので行かないけど。
森もなぁ、別に行かなくて良いか。
王都に戻って、まったりして就寝。
翌日。
新大陸まで後2日。
カジノの町のメイドから連絡があったそうだ。
何かあったのかと思って行ってみると、1通の手紙を渡された。
内容は「お願いしたい事がありますので、冒険者ギルドまで来てください」となっていた。
えっと、確かギルドマスターはエザキさんだったっけ?
何の用事だろ?
あのダンジョンギャンブルに何か問題が?
でもそれなら、そう書くだろうしなぁ。
まぁ、行ってみれば判るか。
前と同じ様に、カンダさんと2人でギルドを尋ねる。
するとそのままギルドマスターの部屋に通された。
「お待ちしていました、福田さん」
「ご無沙汰です」
「ちっとも顔を出してくれないから、困ってたんですよ?」
「え? 何かありましたっけ?」
「3つほどあります」
「3つもですか……」
「ええ。
1つ目はダンジョンギャンブルの事です。
ダンジョンギャンブルって言いにくいので、何か名称をつけようという事になりました」
「まぁ、確かにそうですね」
「なので、何か考えてください」
「はぁ?! 何で俺が?!」
「発案者は貴方でしょう? ダンジョンコアを設置したのも貴方だ。
ならば名称を付ける義務も貴方にあります。
あぁ、これは王も了承済みなので」
ちっ! 王め、余計な事を。
ヌマタ卿やネモト卿が考えてくれれば良いのに!
これはまた、帰ってから名付け会議だな。
「2つ目もダンジョンギャンブルの事です。
貴方の収入ですが、どうすれば良いか聞いておりません。
現金でお持ちになるか、銀行に預けるか、お答え下さい」
「え~と、それに関しては王都に居る執事のヒタキさんと相談してください」
「そうですか。判りました。早速相談致します」
「お願いします。あぁ、金額によっては持って帰りますよ?」
「そうですか。1億ほどですがお持ちになりますか?」
「いっ?! ちお?! く?!!」
「ええ。どうします?」
「何でそんな金額に?!」
「発案料・設置料・月々の売り上げの1%、これらの合計です」
そんなに儲かってるのかよ?!
そう言えば、このギルドの建物も綺麗になったような気が……。
「来月からは発案料・設置料が無くなるので、残念でしょうが減ると思いますよ」
「いや、問題無いです! それと銀行振り込みでお願いします!!」
「判りました。口座等はその執事さんにお伺いします。
最後に。これが一番重要な話です」
1億の事よりも重要な話か……。
なんだろう。き、緊張してきた!




