水泳
本文を少し修正しました。
しかしこうなると、何もする事が無くなってしまった。
新大陸までは5日くらいかかるらしい。
こんな事なら教師をやる前に行かせておくんだったよ。
とりあえず今日は折角島に来たのだし、海の家に行こうと思う。
何をしに行くかって?
勿論泳ぐ!……んじゃなくて、スマホを買いに行くんだよ。
ちなみに、何故か島には自動車がある。
と言ってもゴルフ場にあるようなカートみたいなのだけど。
電動のようで非常に静かだし、目的地のボタンを押すとオート移動する。
何でも、神様ズの移動するのに不便だという不満を聞き、設置したそうな。
駆け足くらいの速度で移動するので、途中で飛び降りる事も可能だ。
もう島内部は好き勝手ですね。
一応持ち主の俺が知らない事ばかりです。
海の家に到着。
俺とカンダさんは、早速自販機へ。
ナグラさんとコタニさんはチャージに行った。
自販機を見ると、品物が異常に増えていた……。
何故海の家にマタニティグッズまで売ってるのだ?
キジマさんの妊娠を知ったので導入したのだろうか?
もうこれは小さいAMAZ○Nですよ。
早速スマホを購入。
カンダさんはマタニティグッズを買いまくってるけど。
設定や入れるアプリはナグラさんにお任せした。
使えないんじゃないんだよ? 先に使ってる人に任せた方が良いじゃん?
何が不要で何が必要か知ってるんだから。
スマホの設定も終わると、結局する事が無くなる。
まぁ、今日の所は海でも満喫するか……。
皆で水着に着替えて海に移動。
何故か誰もが波打ち際でバシャバシャするだけで泳ごうとしない……。
「あれ? 皆、泳がないの?」
「俺は泳いだ事無いんですよ」
「えっ? そうなの?」
「ええ。生まれた所には川も無かったですし」
「コタニさんは?」
「私も同じっス」
そうか、2人とも内陸出身だったね。
ニーベル国やノートルダムには海が無いし、学校の授業で習うみたいな事も無いもんな。
「ナグラさんは?」
「私も無理。ほら、泳げないヒロインって多いじゃない?」
「何をヒロインぶってるんだよ。
大体、日本出身なら授業で習ってるから、普通泳げるだろ?」
「……水泳の授業が始まる前に入院したから」
「……ゴメン」
そうだった。長期入院してたんだもんな。
でもそんなに長かったのか。知らなかったよ。
詳しく聞くと、どうやら小さい頃から体が弱く、体育の授業は全て見学だったらしい。
当然水泳もNGで、授業の時は保健室に居たそうな。
ナグラさんの言うように、マンガやラノベで高校生くらいの子が泳げないってよくあるから。
でも不思議だったんだよね。少なくとも小学生の時に水泳の授業あるじゃん。
そこで習ってるはずなのに、何で泳げないんだろうって。
と言う事で、今日は皆に水泳を教える事になった。
皆は最初は遠慮してたが、「冒険者には水泳って必要でしょ?」と言うと納得してくれた。
だって、ダンジョン内にも池とかあったし。
もしかしたら湖もあるかもしれない。
モンスターと戦ってて落ちたらどうする? 依頼された品物が水の中なら?
と、泳ぎが必要な場面があるはずだ。
カンダさんは最後まで遠慮してた。
と言うよりも拒否してた。怖いらしい。
なので、楽しい事を考えてもらう事に。
「子供が海で遊びたいって言ったらここに来るでしょ?
その時、子供に水泳を教えられるよ?
それとも、かっこ悪いけど『お父さんは泳げないんだ』って言う?」
想像したようだ。
そして、無茶苦茶やる気になった。
日が暮れる頃には、バタフライで遠泳出来るまでになったよ……。




