鳥
しばらく待ってると、続々とモンスターが集まってきた。
召還するかと思ってたんだけど、個々に移動してきたわ。
集まったのは、全部で20種類。
あまり多くないなぁ。
系統分けするならば、獣系が8種類、スライム系は2種類、アンデッド系が5種類、虫系が5種類って感じ。
「これで全部です。あっ、私は入れないで下さいね?」
「ボスは従魔に出来ないだろ?」
「運が良ければ出来ますよ?」
運か……。じゃあ可能だ。
まぁ、リッチなんか要らないけど。
もし従魔にしたとしても、お菓子を作ってもらうくらいだわ。
「ナグラさん、どれにする?」
「う~ん、とりあえずアンデッド系はパス」
「理由は?」
「だって、ファントムは福田さんが持ってるし。
ゾンビやグールなんか、臭いからイヤ!
それにさ、アンデッドなんか従魔にしてたらコタニさんに嫌われるわ」
「まぁ、確かに」
従魔を呼び出す度にコタニさんは逃げるだろうな。
なにより、ゾンビとか気持ち悪い。
「同じ理由で虫系もパス」
「あぁ、キジマさんね」
「そう。折角子供が出来たのに嫌われたくないもん」
間違い無く、子供に会わせてもらえなくなるだろうね。
カブトムシとか、結構強そうなんだけどなぁ。
しょうがない、俺もパスにしよう。
「そうなると、獣系かスライム系だね」
「スライムはレイが居るでしょ。あれ以上のは居ないから良いや」
「じゃあ獣系だね。あれはどう?」
「なんでよ?! あれ、ナマケモノじゃないの! 絶対役に立たないわよ!」
「木に登ってくれるだろ?」
「ゆっくりとね! それを待つくらいなら自分で上った方が早いわ!」
見てる分には楽しそうだけど。
癒しというか、なんか飽きない。
まぁ、俺が要るかと言われたら要らないと言うけど。
「私は鳥にするわ! あの子が良い! 鷹? 隼? 早くて強そうだもん!」
「鳥なら俺の従魔にも居るけど?」
「アレはコウモリでしょ! もっとビュンって飛ぶのが良いの!」
相変わらず扱いがヒドい。
頑張ればビュンって飛ぶかもしれないじゃないか。
「ではこちらで宜しいですね? じゃあ手をモンスターにかざしてください」
「判ったわ」
ナグラさんが鳥のモンスターに手をかざすと、淡い光が手のひらから出てモンスターに吸い込まれていった。
どうやらそれだけで契約出来るようだ。
「これで貴方の従魔になりました」
「やったわ! 早速鑑定してみなきゃ!」
「しなかったのか?」
「知ってたら面白くないじゃない。
良いのよ、弱くても。鍛えて強くなれば良いんだから」
そう言ってナグラさんは従魔を鑑定した。
そしてそのまま固まっている。どうした?
何か困るような要素でもあったのかな?
どれどれ、俺も鑑定してみるか。
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名前:設定前
種族:スモールファルコン
レベル:28
備考:ドM
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へ~、名前を決める前は『設定前』ってなるんだな~。
種族はスモールファルコンか。隼なんだね。
レベルは28か。まあまあの強さだ。
島のダンジョンで鍛えれば、すぐに上がるだろう。
それにしても、問題は備考だよな。
これを見て、ナグラさんはフリーズしたんだろう。
何だよ、『ドM』って! 必要な情報か?!




