バトルジャンキー?
全然敵対行動を取らないので、座って話を聞く事にした。
お茶お茶とリッチが落ち着かないので、家に帰ってお茶を持ってきたよ。
リッチはお茶菓子を用意してくれた。
一応毒入りの可能性もあるので鑑定してみた。
~~~~~~~~~~
名前:フィナンシェ
備考:リッチの手作りお菓子。
おいしい。
~~~~~~~~~~
……どうやら本当に歓迎しているようだ。
手作りってさぁ、ヒマなんだね!
「で、俺達に何の用なんです?」
「ちょっと聞いてくださいよ!
大昔にダンジョンマスターからこの新しいダンジョンを任されたんですが、誰も来ないんですよ!」
「まぁ、そうでしょうね」
「何と!! 理由をご存知で?! 教えてもらえませんか?!」
「いや、簡単な話ですよ。大森林の中にあるからでしょ?」
「えっ?! ここは大森林の中なんですか?!」
「知らなかったの?!」
「ええ。出来てから1度も出た事無いので。
どうりで獣しか入ってこない訳だ……」
「何でこんな所に作ったんです?」
「出来た時はちゃんと外だったんですよ……」
あぁ、大森林って誰かのせいで広がっていったからね。
人間に発見される前に飲み込まれたんだな。
「それで、本日はどのようなご用件で? ダンジョン攻略ですか?
お客さんはそれなりの強さですよね? バトルですか? バトりますか?」
「いや、調査と従魔になりそうなモンスター探しに来ただけなんだけど」
「え~! 戦いましょうよ~。頑張りますよ?」
「1階でダンジョンのボスと戦うっておかしいだろ?」
「そんな事無いですって!
こう見えて、私、戦うのが好きなんですよ。
リッチですけど、魔法が使えませんので近接戦専門なんですけどね」
「手の内バラして良いのか?」
「まぁ、そこは? 初回限定のサービスって事で。
だからね、戦いましょうよ」
バトルジャンキーか?!
いや、ただ単に今まで誰も来なかったせいかもしれない。
まぁ、戦う気は無いんだけど。
「ほら、ね? どうです? ダンジョンボスですよ?
攻略したくないですか? そうだ! 宝箱出しますよ?!」
「中は何が入ってるんだ?」
「武具が入ってますよ。ミスリル製の強いやつ。
どうです? 欲しくないですか?」
「いや、俺達もっと強いの持ってるし……」
「え~、困ったなぁ。
あっ、そうだ! さっき従魔を探してるって言いましたよね!
じゃあ勝ったら、このダンジョンに居るモンスターを全部集めます!
その中から好きなのを選んで従魔にしてください。どうです? 魅力的でしょ?」
う~ん、確かにモンスターを探す手間は省けるけど。
問題はリッチに勝てるのかって事だよなぁ。
まぁ、何か作戦を考えますか。
「じゃあ、モンスターを集めてもらう方向で」
「いやっほぃ! 言いましたね。言いましたからね! もう取り消しは出来ませんからね!」
「ついでにさ、このフィナンシェも頂戴よ」
「あっ、気に入ってもらえました? 自信作なんですよ。
沢山ありますから、どうぞ持って帰ってください」
「ありがとう。じゃあ、もう少し休憩してから戦おうか」
「判りました! じゃあ10分後って事で! よ~し、やるぞ~」
「お茶のお代わりはどう?」
「あっ、頂きます。この紅茶、美味しいですね」
「ありがとう」
10分後、リッチは動けなくなっていた。
だって、さっきの紅茶に『ポイズン』の魔法で出た毒の水を入れておいたからね。
効くか判らなかったけど、見事に麻痺してる。
さ~て、ボコりますか。
「ちょちょちょちょっと、、、待って、、、くださシビビビビ」
「えっ? 何か言った?」
「ここここれれれは、、、、卑怯シビビビ、、、じゃないですかシビビビビビ?」
「戦う事は確定してたし、油断した方が悪いよね?
じゃあ戦うからね。降参の時は早めに言ってね」
「ズルいですよシビビビビビビ、、、、こ、、、、降参しますシビビビビビ」
あっけなく降参したので、エリクサーをかけてあげた。
ダンジョンボスにもエリクサーって通用するんだね。復活したよ。
「あ~、ヒドい目にあった……。まぁ、負けは負けですけど、納得出来ないというか……」
「これから人が来るようになると思うから、他の人の時に頑張ってくれ」
「はぁ、判りましたよ」
「じゃあ、報酬を頂戴」
「そこは譲らないんですね……。じゃあ、呼び出しますから待っててください」
さて、どんなモンスターが来るのかな?
俺も1匹くらい貰おうか?




