ポップ
シロの案内で、大森林の中にあるダンジョンを目指す。
森に入ってから20分も進むと、洞窟のような入り口のダンジョンに到着した。
時間的には昼前なので、ここから一旦家に帰って昼食。
食休みを挟んで、13時半からダンジョンに挑戦だ。
シロは同行したがってたが、近衛アリ達が必死に止めたので入り口で待機する事になった。
その近衛アリ達はダンジョンの入り口周辺を警護してる。
丁度良いので、何か獣を獲ってくれとお願いしておいた。
これで晩御飯が豪華になるだろう。
ダンジョンの中は暗かった。
まぁ、誰も入ってないのでたいまつなんか無いからね。
皆でライトの魔法を使って明るくして進む。
マップを見ながら進んでるけど、全然モンスターの気配が無い。
道は緩やかな下り坂で1本道になってるんだけど、罠も無い。
5分ほど進んで、やっとマップに変化が出た。
道の先に広い場所があるのだ。
そこから5方向にまた細い道が分かれている。
まだ詳しくマップを見てないけど、多分迷路なんだろうな。
広い場所まで進んで、入ってきた道にはたいまつを立てておく。
これで帰り道を価値が得る事は無い。
まぁ、マップを見れば帰れるし、『コネクト』で帰るって方法もあるけどさ。
進むべき道は4つある。
ナグラさんはモンスターを見つけたいので、必死にマップを操作して正解ルートを探している。
俺も一緒にマップを確認してみよう。
マップを開いたら、突然今居る広場にモンスターを示す黒い点が!
このダンジョンはポップするのか?!
「皆、モンスター反応だ!
この広場の中央に出るぞ! 気をつけろ!」
注意喚起すると、すばやく全員が戦闘態勢に入った。
さぁ、何が出るかな?
ナグラさんが従魔に出来るようなのだと良いけど。
皆で中央を睨んでいると、そこに黒いモヤモヤが集まってきた。
そしてそれは段々と形を作り出す。
集まって出来たのは骸骨姿にローブ、手には大鎌を持った姿。
これ、リッチってやつじゃない?
コタニさんはすばやくシロの居る所に逃げていった。
あぁ、オバケ嫌いでしたもんね。
リッチのようなアンデッドもダメですか。そうですか。
「ようこそ、我がダンジョンへ! 歓迎しよう!」
お決まりのセリフを喋っている。
ん? 我がダンジョン? どういう事?
ちょっと鑑定してみよう。
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種族:リッチ
レベル:100
備考:ダンジョンのボス
~~~~~~~~~~
おい! ボスじゃないか!
1階で、しかも1本道進んだだけでボス戦かよっ!
唖然としてると、リッチは懐をゴソゴソとしだした。
何をする気だ?
「え~と、確かここに茶菓子を入れてたはず……。
あぁ、気にせずに座って座って」
「んん? 何言ってんの?」
「ああっ?! 茶菓子があってもお茶が無ければダメじゃないか!
でもココには設備も無いし……どどどどどどどうしよう?!」
「お~い、話を聞けよ」
「一旦戻って用意してくるか?
でも来客を放っておいて、お茶を入れに行ったら帰られるかも……」
「おい!」
「うん? あっ、すみません。放置してましたね。
えっと、座布団座布団……ああっ?! それも無かった!
ヤバい。急過ぎて、何も用意出来てない! ススススススミマセン!!」
……どうやら、本当に歓迎するようだ。
何なの、これ。




