サマナー取得
家に帰り、今度こそ寝ようと部屋に入ったらシロが居た。
森から帰ってなかったのかよ。
「用事があって来た」
「あ、そうなの? どんな用事?」
「2つある」
「ふ~ん、何?」
「寂しい。構って」
「……用事ってそれかよ!」
「重要」
「あ、そうですか……」
まぁ、確かにまだ子供だからなぁ。
しょうがないのでベッドに座り、膝の上に座らせて頭を撫ぜる。
ロリじゃないからね! 身内みたいなものだし!
ただ、誰かに見られたらマズい気はするが。
皆と一緒に遊ぶのも良いかもね。
「あっ、そうだ。キジマさんに子供が出来たよ。
シロはお姉ちゃんになるね」
「お姉ちゃん……」
その響きが気に入ったのか、凄く喜んでる。
気分転換になっただろうか?
「会いに行こう」
「いやいや、まだ生まれてないから」
「そうなんだ……でも卵でも良い。見たい」
「人間は卵で生まないからね!」
「そうなんだ……ガッカリ」
「まぁ、皆でキジマさんの所に行こうか。ヒヨも居るし」
「うん、判った。楽しみ」
嬉しそうだ。
シロの城は、あまり娯楽が無いのかなぁ?
あっ、シャレじゃないよ?
「そういえば、もう1つの用事って?」
「忘れてた。あの森の中にダンジョンが有ったよ」
「マジで?! そっちの方が重要じゃないか!」
「甘える方が重要だもん……」
「あぁ、ゴメンゴメン。スネるなよ。
で、どんなダンジョンだった?」
「詳しくは知らない。部下が発見したから」
「そうなんだ……」
これは行ってみないとダメだろうな。
俺達が進んだのは長くても200mくらいだもん。
それくらいにダンジョンがあるなんて、色々危険だと思う。
例えば、大森林に入って獣に追われた時や雨宿りとかで、ダンジョンとは知らずに入る可能性がある。
子供でも護衛が居れば入れる所って認識させてるかもしれないし、調査が必要か?
この後、皆と合流しキジマさんの所に行った。
シロは妊娠しているキジマさんに興味津々。
「私、お姉ちゃんだから」と言って、皆を和ませてた。
丁度皆揃ってるので、さっきの話をしておこう。
「なんかさ、近衛アリが森の中にダンジョンを発見したらしいんだ。
調査した方が良いよね?」
「そうっスね。子供でも行ける場所っスから」
「やっぱりそう思う? じゃあ明日1日だけ行ってみるか。
シロ、案内出来る?」
「まかせて」
「じゃあ案内はシロに頼むよ」
「うん、判った。じゃあ今日は泊まっていく」
「ホント?! じゃあ私と一緒に寝ましょ!」
「うん」
シロはナグラさんとお泊りですか。
微笑ましいですなぁ。
それは良いけど、変な事を教えるなよ?
「そういえばさぁ、さっきステータス見てて気づいたんだけど。
私、『サマナー』を取得してた」
「えっ?! マジで?!」
「うん。取得条件とかどうなってるんだろ?
ま、ダンジョンに行くなら、何か従魔になりそうなのを探そうかな~」
サマナーの取得条件ねぇ。
確かナミちゃんも取得したんだよな。
……もしかして従魔と一定期間一緒に居る事が条件か?
でもそれだと、コタニさんやカンキジコンビも取得しても良いはずだし。
色々と詳しそうなホウズキさんにでも聞いてみるかな。
いや、王様の方が良いか。どうせダンジョンの報告も必要だし。




