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2つの魔法

折角帰って寝ようと思ってたのに、今度はホウズキさんに捕まった。

どうも『ポイズン』の研究結果と、残りの2つの魔法を渡したいらしい。

魔法はこちらがアイデアを出しているので断れなかった……。


そのままホウズキさんの家に行く。

ポイズンの結果は前に話した通りの凶悪な物。

後は、残りの2つだけど……。


「1つはお前さんのアイデアじゃが、もう1つはナグラちゃんのアイデアだぞ」

「やった! どれが出来たの?!」

「レールガンじゃ!」

「やったね!!」

「おおぃ! ちょっと待て! 俺には自重しろとか言っといてレールガンとか作ってんの?!」

「福田さん、私言ったよね。知識チートがしたいって」


確かにしょっちゅう言ってる。

生徒を魔改造しようとしたりしてるし。

あぁ、セキハイムでもやってたね。スルメ作ったんだっけ?


「これは知識チートよ! 問題無し!」

「いや、いくらなんでも強力すぎるだろ?!

 その、ラノベとかじゃあ、兵器利用されるからって止めるタイプのじゃないか?」

「何言ってるの? 魔法なんかどれも兵器利用出来るじゃない。

 例えば『コンシール』。気配と匂いと音を消す魔法よ?

 暗殺にもってこいじゃない。他にも凶悪な魔法なんか沢山あるわよ?」

「そうだけどさ。でも『自分が作った魔法が戦争で使われるなんて…』と言うじゃん」

「作る方には何の責任も無いのよ。結局は使い手次第なんだから。

 ダイナマイトだってそうでしょ?

 大体どんな魔法作ったって、戦争に使おうと思えば使えるのよ。

 武具だって同じでしょ」

「武具は大量殺人は出来ないだろ?」

「そう? 無茶苦茶頑丈な防具と、凄く良く切れる武器があれば可能だと思うわよ?

 ああいうのって魔法ばかりに目が行くけど、武具だって危険よ」

「まぁ、確かに。だからって開発しなくても良いんじゃね? 過剰な攻撃力だと思うけど?」

「ドラゴン級が出たらどうするのよ。

 そもそも、過剰な攻撃力がダメって言うのなら、もうその主人公は危険な冒険なんか止めるべきね。

 何も作らずにその世界の人間としておとなしく生活すれば良いのよ。

 よくあるポンプでもそう。戦場で苦労しなくて済むし。

 冷蔵庫もそう。戦場に食料を運ぶのに役立つわよ。

 生活を便利にする物なんか、使おうと思えば戦争に使えるんだから。

 苦悩するくせに自分の生活は便利にしたいなんて、矛盾してるわ」

「ホッホッホ。結構な極論じゃが、間違っては無いのぉ。

 結局は使い手次第よ。気にする事は無いぞ」

「ちなみに、自重って言って自分専用の魔法や武器を作ったくせに、人前でバンバン使う話もよくあるわね。

 結局自慢したいのよね~」


う~ん、そう言われればそうかもしれないなぁ。

結局、人間に向けるかモンスターに向けるかの違いだもんな。


「まぁ、そこは理解したよ。

 でも、じゃあなんで、俺には自重しろって言う訳?」

「私のは一撃で仕留める魔法。福田さんのように、動けなくしてチクチクダメージを与えるのとは違う。

 さすがにあれはドン引きだから、自重しなさいって言ってるの」

「確実に倒す方法だよ?」

「そうかもしれないけど、傍から見たらイジメにしか見えないから」


差別だ。

一撃で頭を吹っ飛ばせるレールガンの方がひどいと思うのだが。


「でも、何でレールガン?」

「ロマン」

「……それだけかよ! そもそも、良く理論なんか知ってたな?!」

「えっ? 知ってる訳無いじゃないの」

「はぁ?! じゃあどうやって開発したのさ?

 ホウズキさん、どうやったんですか?」

「この杖を利用するのじゃ。

 ほれ、ここに溝があるじゃろ? ここに小石をセットしてこの魔法を唱える。

 すると、小石はレールの上を高速で進むのじゃ。

 空気を圧縮して小石を吹き飛ばしてるのじゃよ」


あぁ、本当にレールガンなんですね。

電気や磁力は一切使っていない、レール(溝)を使ったガン(銃)って事ね。

心配して損したよ。


「ちなみに、小石じゃなくても何でも飛ばせるぞ。

 それこそドラゴンを相手にするなら、ミスリル等で玉を作っておけば良いじゃろう。

 福田君の好きな毒針だって打ち出せるぞ?」

「……別に好きで使ってる訳じゃないですよ?」

「そうじゃったかな?

 それよりももう1つの魔法じゃが」

「あぁ、そうでした。何が出来たんです?」

「『ボム』じゃ」

「あぁ、あれでしたか」

「おお。空気内の水分を分解して、酸素と水素じゃったか?にして、水素を集めて引火する。

 実験していて、とても楽しかったわい」

「福田さんの方がよっぽど危険なの作ってるじゃない!」

「いや、威力はねずみ花火程度だよ?! ね、ホウズキさん!」


ホウズキさんは、サッと目を逸らした。

……どうやら、俺の考え以上に威力を上げたようだ。

1度、どこかで使ってみないといけないな。

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