裏ギルド
「子供の護衛……? 何をするんですか?」
「今ですね、何故か学校で臨時教師をやってまして。
授業の一環として冒険者の真似事をするんですよ。
その時の護衛をしてもらいたいんですよね」
「冒険者の真似事? ダンジョンに行くんですか?」
「……え~と、そこは依頼を受けてもらえたら話します」
さすがに現状で話す訳にはいかないだろ。
なんせ昨日の今日だよ?
まだ国からの発表も無いんだからさ。
キフミさんは、再度依頼表を見ながら考えている。
「う~ん……報酬は……えっ? こんなに貰えるんですか?
期間は2日か~。特に用事は無いから大丈夫そうだなぁ。
んんっ? この最後の備考にある守秘義務って何ですか?!」
「この国以外ではこの依頼の話をしないでくださいって事です」
「えっ?! 本当にこれ護衛ですか?! まさか暗殺とかじゃ……」
「本当に護衛ですって! 犯罪になるような事はしませんよ!」
「本当に?」
「本当です! 犯罪になるような事をするなら、わざわざギルドに依頼なんかしませんよ!」
「……そうですよね。そういう人は裏ギルドに行きますよね」
……何か不安な事言ったね?
裏ギルド? そんなのがあるの?
あぁ、ラノベでもあったね。犯罪集団でしょ。
国が潰せないのを何故か主人公が関わっただけで潰すやつでしょ。
で、国に感謝されるやつ。
役に立たない国だな~と思う。
だって、貴族とか偉そうに強権を使うじゃん。
それ使って潰せば良いのにって考えてた。
うん、聞いてみよう。
「何でその裏ギルドって潰されないんですか?」
「あぁ、それって誰もが疑問に思うよね」
「ですよね」
「それはね、あまり大きな声では言えないんだけど、運営してるのは国なんだ」
「えっ?!」
「元々は情報収集の部署なの。
昔さ、貴族が強権を使って証拠隠滅とかして犯罪するやつがいたんだ。
その為に非合法な方法を使ってでも証拠を集める為に設立されたみたい」
なるほど。前世で言えばCIAみたいな物か。
って映画とかドラマでの情報だけどさ。
「それをこっそりと民間も使えるようにしたのよ」
「何で民間に開放したんです?」
「そういうのがあって成功してるって聞くとさ、犯罪者が依頼を出そうとするじゃない。
それを事前に知る事が出来るからよ」
「でも、例えば暗殺を依頼したとしますよね。
実行するんですか?」
「しないよ。狙われた人を国が保護するの。
それで、暗殺成功しましたーって報告するの。
それから、少し間を空けてから依頼者を別の容疑で逮捕。
死刑にしてから保護した人を解放。
これで裏ギルドの評判は上がるし、クズも死罪に出来る」
は~、なるほどね~。
考えてあるなぁ。
これならバカなやつは頼みに来るよな。
ヤクザみたいな人に頼まれたら困るから、頼める所を作ってしまえって発想か。
「裏ギルドの事は判りました。
で、どうします? 受けてもらえませんか?
犯罪じゃないですよ、真っ当な護衛依頼です。
疑うなら、学校に問い合わせてもらってもかまいませんよ。
何なら、国に問い合わせてもらっても良いです」
「何で国が出てくるのか判らないけど……判った、良いわ。
この依頼、受けます!」
「ありがとうございます。
じゃあ、依頼表を提出するので、すぐに受けてください」
キフミさんをGETだぜ!
ちなみにチームで来てたので、合計4人をGET出来ました。
依頼を受けてもらったので、内容を話す為にギルドの一室を借りた。
詳細を話したら、速攻で言い返された。
「おい……。しっかりと犯罪じゃないか!」
えっ? どこが?




