地震
全員が驚いている。
だって、専属じゃ無い教師は授業をしないと儲けが無い。
しかも教師って実は人気なんだって。
だから休む人はほとんどいない。病気くらいだそうだ。
「いやいや、君達。
国から通達があったでしょ? 今晩地震が起きるって。
規模が判らないから、何かあるかもしれない。
なのに翌日に学校に来てる場合じゃないですよ。
親に協力して、地震で散らばった物とか片付けしてください」
「あっ、そうだった」
「そんな話を聞いたなぁ」
「私、地震って初めて!」
「ボクも!」
「はいはい。だから、明日は休みです。
もしかしたら学校自体休みになるかもね。
その辺は帰りに学園長にでも聞いてみてください。
って事で、次の授業は明後日です。座学と半々になるので、体育館に集合ですよ」
「「「「「は~い」」」」」
そう、今晩、世界が合体するのだ。
その余波で起きる地震のせいで生徒には明日は休みと通達したが、実際は違います。
俺が休みたかったんです。
休んで何をするかって?
勿論、大森林の散策に決まってるじゃないか!
まだ誰も知らないんだぜ?
そりゃ、王様とか一部の人は知ってる。調査を命じられたりしてるだろうな。
だが、冒険者としては俺が最初だと思う。
だったら行ってみたいじゃないか!
あっ、学校の実地で使う予定だから下見ですよ?
私欲じゃないんです。ええ、違います。
どんな植物があるのかな~とか興味ありませんよ。
舞茸とかあったら良いな~とか考えてませんよ。
あくまでも子供達の為なんです。はい。
その日の夜。
俺はホウズキさんとハズキ君を連れて、島に移動した。
理由は簡単。ホウズキさんの家は危険だから。
だって、棚に毒の泉の水とか入った容器とか置いてあるんだよ?
地震で落ちたりしたら危険でしょ?
あっ、トンマ? もう実験は終わったって言って、城に連れて行かれてました。
それが彼を見た最後だった……(笑)
冗談は置いといて。
それにさ、この世界で一番安全なのって、島だと思うんだ。
ヘタすれば、この世界が滅びてもあそこだけは残りそうな気がする。
その島での事ですが。
ハズキ君は従魔と遊べて満足。
ホウズキさんは、アンドロイドに興味津々。
2人とも満足してました。
ホムンクルスとか作らないでよ?
その日の23時。
確かに地震は起きました。
島に居たので、震度1くらいにしか感じませんでしたが。
実際は、震度4くらいだったそうだ。
倒壊する可能性のある家の人は、城に避難させたそうな。
たった2日で通達して回った国は大変だったろうなぁ。
翌日に自分の家を見て回ったんだけど、たいした被害は無かった。
まぁ、何も飾って無い家だからね。
貴族の家とかで壷とか美術品を置いてる所は大変だったそうだけど。
見回りも終わったので、大森林に移動です。
許可は既に王様から取ってある。
情報を渡すのと引き換えだけど。
馬車(?)で移動しました。
無茶苦茶快適だったわ。
って言うか、家のようなものだしなぁ。
寝てたら着いてたよ。
今日はコタニさんが大活躍の予定。
なんてったって、鑑定魔法のオピニオンを使えるからね!
ナグラさんも使えるけど、MP量が全然違うし。
ナグラさんの5倍はあるんだもん。
って事で、俺は護衛のカンダさんと共に行動。
コタニさんは護衛のナグラさんと行動。
どちらのチームにも日本人の知識がある。
さぁ、美味しい物を見つけよう!
ゲフンゲフン、いや、実地で使えるか検証しよう!
801話「炎の話」を改変しました。
毒を使う事でドン引きされた理由を足しました。




