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模擬戦5

「ホウズキ先生、時間ですよ。もうよろしいですか?」

「あぁ、良いぞ。

 じゃあ、頼んだぞ、福田君」


俺はすぐに渡された文章を読んで、魔法を覚えた。

このポイズンって魔法は、MPを120使う。

エリクサーを呼ぶエリクションが100なので、少し増えている。

多分場所指定の分だと思うんだよね。

しかし、目視で場所を決められるなんて、凄い技術だよな。

やっぱり優秀だよな、ホウズキさん。外道だけど。


「では双方、準備はよろしいか?

 それでは、開始!」


学園長の開始の合図と共に、ファイヤーアローが飛んでくる。

俺はカンダさんのように剣で切れないから、横に移動して避ける。

それと同時に接近しようと1歩踏み出したが、トンマ先生は合わせて1歩下がる。

この距離が必要なようだ。


トンマ先生は何か魔法を使うようだが、離れていて聞こえない。

あぁ、だからこの距離なのか。

なるほどね。少し勉強になった。


何の魔法を使うのか判らないので、こちらは運を使っておく。

『あの先生の魔法を全て避けられますように』

これで何を使われても問題無いだろう。


魔法を使われる前に接近しようとさらに1歩進もうとしたら、石につまずいてよろけてしまった。

だが、そのお陰で魔法から逃れる事が出来た。

どうやら使われた魔法は『バインド』。中級魔法で足止めする魔法だ。

足元の土が軟らかくなり、そこから木の根のような物がウネウネと出ている。

これで絡めて足止めするのか。初めて知ったよ。


さて、近づくと遠ざかるので、俺はいつもの戦法を使おうと思う。

幸い相手はこちらを見たまま下がってるしね。


ピットフォールの魔法を使い、相手の後ろに落とし穴を作成。

そのまま俺が1歩進むと、予想通り相手も1歩下がった。

そしてそのまま落とし穴の中に。

それを確認したので、俺は瞬歩を使い後し穴の近くに移動。


さて、ここからがある意味本番だ。

有効範囲は確か3mだったよね?


穴から2mの位置に陣取り、穴に向かってポイズンの魔法を使う。

すると空中にシャボン玉のような水の塊が現れた。

そしてそれは、風船に針を刺したように弾け、穴の中に落ちていった。


口に入れば即効性があるって話だったけど、被った場合はどうなんだろうか?

とりあえず、1分くらいは放置しておこうか。

今も穴の中から罵詈雑言が聞こえてくるしね。

何か、卑怯だとか正々堂々と勝負しろとか水をかけるとは何を考えてるんだとか言ってる。

更には、こんな物まで用意しておくとは卑劣とか。


用意するヒマなんか無かったじゃん。

それとも授業で使うから作ってたって言うのか?

落とし穴を使う授業? どんな授業だよ!


静観してたら、学園長が近づいてきた。

状態を見て判定するつもりらしい。


「福田君、どうなったのかね?」

「落とし穴を作る魔法を使ったんですよ。

 それに相手を誘導して落としました」

「さっきの水は?」


う~ん、毒の水ですって言えないよね。

どうしよ。


「あ、あれは水ですよ。

 この後、フリーズを使えば、寒くて動けなくなるでしょ?」

「なるほど、そういう予定だったか。

 ん? 静かになってきたぞ? もうフリーズを使ったのか?」


あっ、どうやら毒が効いたようだ。

学園長と近づいて中を覗くと、ピクピクと痙攣していた。

かけても効くんだね。即効性は無いけど。


「学園長、判定は?」

「うむ。

 皆、聞け! 行動不能とみなし、福田君の勝利とする!」


ソレを聞いた瞬間、ホウズキさんが走ってきて穴の中を観察しだした。

実験結果を知る事の方が、彼の命より大事ですか。そうですか。

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