表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
788/949

初授業

それにしても、こんな簡単に授業内容を変更しても良いものか。

事前に連絡があったと言っても昨日でしょ?

生徒も困惑するだろ? いや、適応してるな。

よくある事なのか?


「それでは福田先生。後は頼んだよ」

「あ、はい」


学園長に促されて、俺は教壇に上がる。

ざっと見渡すと、今日の生徒には年齢の高い人はいないようだ。

若い生徒ばかり。8~15歳って感じかな?


「え~、何故か教師をやる事になった福田です。

 何を教えるかって事ですが、これといって決めてません。

 なので皆さんからの質問タイムとしましょう。

 出された質問に答えていきます。判らない事や言いたくない事は答えませんよ~」


俺がそう言うと、教室の中はザワザワしだした。

何を質問しようか友人と相談してるようだ。


その中の、最前列に座っていた女の子が手を上げた。


「ナグラ先生とコタニ先生は、福田先生とカンダ先生の奥さんですか?」

「違いますよ。カンダ先生はニーベル国に奥さんが居ます。

 今は妊娠中なので、ここには来ていません」


最初の質問がコレかよ。

どこの世界でも同じだなぁ。

だが、これが良いきっかけになったようで、次々に手が挙がりだした。


「先生は前は何をしてたんですか?」

「今も冒険者です」

「好きな食べ物は何ですか?」

「イチゴが好きですね~」

「ダンジョンとか行った事があるんですか?」

「ありますよ~」

「どこに住んでるんですか?」

「基本はニーベル国です。旅が好きなのでウロウロしてますけど」

「どこに旅に行きましたか?」

「ニーベル・ノートルダム・セキハイム・コルラド・ロッツギル・グランザム、の6国は行きましたね」


お~、と驚いてくれる。

皆、国を出る事が無いらしい。

留学生も自国とココしか知らないようだ。

旅の事を授業にすると良いかも?

もしくはサバイバルか?

それにしても、途中に変な質問が混ざってたな。


この後も色々な質問が飛んできた。

「犬と猫、どっちが好きですか?」「昼は何を食べますか?」「海って大きいですか?」

等の謎の質問から、

「魔法は詳しいですか?」「中級魔法は使えますか?」「モンスターを魔法で倒した事はありますか?」

等の、ノートルダムらしい質問までさまざま。


うん、色んな質問から、俺の教える方向が判ってきた気がする。

そして、それを教えれば、戦闘派と魔法派と両立派の仲違いも収まるんじゃないかな?


残り5分となったので、質問タイムは終了だ。

よしよし。じゃあ、次回からの方針を話そうか。


「これで質問タイムは終了です。

 皆さんのお陰で何を教えたら良いか、判りました。

 皆さんに俺が教えるのは、冒険者です」

「「「「「冒険者?」」」」」

「そう。冒険者。

 冒険者っていう職業は知ってても詳しくは知らないと思います。

 詳しく知っていても、体験した事は無いでしょう。

 まずは勉強して知ってもらいます。

 その後は、実際に冒険に出ます!」

「「「「「お~~~~!!」」」」」


感銘してもらえた。

さすがに学校じゃ、実地研修までしないだろうからね。

俺はやりますよ。だって、実地とか実験とかが、授業で一番面白いじゃん?

どうせもうすぐ大森林にも入れるようになるしさ。

ダンジョンじゃなくても森に行けば良いんだよ。


危険じゃないかって?

大丈夫、運を使っておくから! 無茶苦茶安全だぜ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ