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お疲れのカンダさん

俺はカンダさんに近づき、話を聞く事にした。

その前に自販機で栄養ドリンクを買っておく。

飲んで元気になってもらわないとね。


「カンダさん、どうした?」

「あぁ、福田さん……。いえ、皆さんに振り回されただけですので、大丈夫ですよ……」

「いや、大丈夫そうに見えないから。まぁ、これでも飲んでくれ」

「ありがとうございます」


確かに面倒なメンバーだが、そこまで大変だったのか?

だって、ナグラさんやコタニさんも一緒だっただろ?


カンダさんは一気に栄養ドリンクを飲み干した。

少し状況を聞いておこう。


「で、どんなんだったの?」

「最初は名所を案内する予定だったのですよ」

「どんな順番?」

「ソーラーシステム、温泉、巨大な滝、それからビーチの予定でした」

「ふむふむ。で、その感じからすると行ってないっぽいね?」

「ええ。ナグラさんが『まずビーチで泳いで、それから温泉でしょ!』と言い出しまして。

 全員がそれに納得してしまったのです……」


ナグラさん、お前が戦犯なのか!

そりゃ確かに、ビーチから温泉は良い流れだ。

疲れた体を温泉で癒すってのは良い。


でも、観光でしょ?!

昼からレジャーって言ったよね?!


ところで、巨大な滝なんかあったっけ?

最初に来た時は、そんな物無かったと思うんだけど。


「滝なんかあったっけ?」

「ソーラーシステムと一緒に出来たらしいですよ。

 何か施設があるそうです」


もしかして水力発電所でもあるのだろうか?

その為に滝を作った? まさかねぇ……いや、ありうるな。


「それで止めるのも無理なので、ビーチに移動しました。

 そしたら、今度は各々が好きな楽しみ方をしようと勝手に動き出したんです。

 今のように分かれたのは30分前ですよ……。それまでは喧々囂々でした……」

「ご、ご苦労さんです……」


大変だったんだな。

こりゃ臨時でボーナスを出そう。

あれっ? コタニさんはどうした?


「コタニさんは?」

「勝手に皆が動き出した時点で、諦めて開き直ってましたね……」


いい加減と言うか、危機察知能力が高いと言うか……。

上手い事立ち回ってますね。


「よく治めたね~」

「最後にはアンドロイドの3人が黙らせてくれましたので。

 そこからは何とか仕切れましたよ」

「そうですか。ここからは俺がここに居るので、遊んできても良いですよ?」

「ありがとうございます。

 それなら、一度帰ってきても良いですか? キジマの様子を見に行きたいので」

「ああ。良いよ。夕食も一緒に食べてきたら良いよ」

「判りました。じゃあ、行ってきます」


嫁さんの癒しが欲しいですか。

さすがに「ノロケやがって、爆ぜろ!」とは言えないわ。

お疲れさんでした。

夜もお願いしますね。


俺はこれからここで何をするかと言うと、ヌルからの情報を聞いて閻魔帳に記載するお仕事です。

書かないとヌルが神様ズに何をするか判らないからね。

あ~、俺もこんな苦労無く、遊びたいわ~。

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