ビーチタイム
海。砂浜。ビーチ。
昼食後に全員で来たのだが……。
何だろう、この光景は。
ビーチパラソルの下でくつろいでいる人、ビーチバレーをしてる人、泳いでる人、釣りをしている人……。
見事に満喫してるじゃないか。
そして一番の驚きは、神様とこの世界の住人が普通に接している事だ。
サミット内と全く違うのだ!
くつろいでいるのは、アフロディテとヘスティア、それにグランザムの護衛。
トロピカルジュースをテーブルに置き、サングラスをかけてビーチチェアに寝転んでいる。
ビーチバレーは、アテナ・アルテミス組VSアイ姫・近衛隊長組だ。
何故か審判をバッコスが酒のビンを片手にやっている。
釣りは、ヘルメスとポセイドンの他にコルラド国の護衛の人。
結構釣れているようで、今も大物がかかったと竿をしならせている。
残りの人達が泳いでる人達だ。
神様で言えば、アレス・デメテル・ヘラの3女神+アポロン。
アポロンはどちらかと言えば遠泳だが。
女神は水際ではしゃいでる。それに他の護衛の人達が混ざってる。
護衛の人達は女神の美貌にデレデレだ。
で、うちのアンドロイドだけど。
全員に『混沌』を使う為に囲むように陣取っている。
三角形の頂点に居ると思えば判りやすいだろうか。
ちなみに俺の仲間達はと言うと……。
カンダさんは海の家でぐったりしてる。
ナグラさんとコタニさんはビーチバレーを見てる。
多分負けたチームと交代する気なんだろう。
楽しそうですね。
正に混沌と言うのがふさわしい場所ではないだろうか?
全員しっかり水着を着てるし。
そしてこの状況にさらに混乱を発生させる事態が。
「海だーっ!」
この声と同時にコルラド国王とニーベル国王がビーチに突撃していったのだ!
それに乗っかって、ルシファーさんまで突撃していった。
貴方は比較的まともだと信じていたのに!
アホな3人は放っておいて、他の王達を海の家に連れて行った。
まずはここの説明をしておかないといけないからね。
「ここでは色々と買い物が出来ます。
無人ですが、この機械にお金を入れると画面に商品が表示されます。
欲しい物を触ると、ここから出てきます。
こちらにメニューがあるので、これから選らんでください。
水着から食料まで買えるので安心してください。
あっ、更衣室は男女別でここです。中にはシャワールームとトイレがあります」
「……凄い設備なのは判ったが、問題が一つある」
「何でしょう?」
「お金を持っていないのだが……」
「えっ?! 王様なのにお金を持ってないんですか?!」
「そういうのは側近が持っているのだ。どうすれば良い?」
「それこそ、遊んでいる側近から受け取ってくれば良いんじゃないですか?」
「福田君、貸してくれないかね?」
「……まぁ、確かにあれだけ楽しそうにしてる所に行ってお金を無心するのは憚られるでしょうね。
判りました。各人に2万づつ貸しますよ。帰ったら返してくださいね?」
「すまん。助かる」
全員が俺からお金を受け取ると、メニューを見て好きな物を選んで買い物し始めた。
やはり最初は水着を買うんだな。それはマストなんだ。
仏様やヘファイストスさんも一緒になって選んでいる。
仲良くなってなりよりです。
その後はビーチに突撃していく人、海の家を満喫する人、ビーチパラソルを設置してくつろぐ人、などさまざま。
皆、遊びたかったんだね。
いいよ、好きに満喫すれば。
俺は重圧から解放されればそれで良いんだよ。
俺はそれよりも、ぐったりしているカンダさんの方が気になる……。




