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空と海の問題

「すみません、先ほど空には鳥が居ると言われましたよね?」

「はい、そうですよ」

「その鳥は、こちらの大陸まで飛んで来ないでしょうか?」

「そう言われればそうじゃな。海の巨大生物も来る可能性があるんじゃなかろうか?」


確かに。

空も海も繋がってるんだから来る可能性はあるよね。

危険な生き物が近寄ってくるのか……。


「その可能性ですが、間違いなくかなり高いと思われますね。

 しかし、距離もありますから、すぐという事は無いでしょう」

「どれくらい猶予があると思いますか?」

「1年くらいは大丈夫だと思いますよ。

 どんな生物もテリトリーがあります。

 新しく生まれた物が、テリトリーを確保するのにやって来るでしょうが、それらはまだ小物ですし。

 それらを狙って大物が来るようになるには1年はかかるでしょう」

「では1年の内に対策をする必要がありそうじゃな……」


この中ではコルラドとロッツギルが問題だろうね。

あっ、後は船便があるセキハイムもか。

この島? 確かにコルラドの最南端と同じくらいの緯度だけど、怖くないな。

間違いなく防衛設備が稼動するだろ。

ヘタすれば、晩飯とかになってるかもな。


しかし1年ってのは短いと誰もが思ったのだろう。

セキハイムの王が神様にお願いしてるよ。


「神様。さすがに1年は短いです。

 せめて2年にしてはもらえないでしょうか? お願いします!」

「う~ん、そう言われてもですね。行動の制限まで出来ませんからね。

 ……ではここまでたどり着けそうな個体だけ駆除しておきましょう。

 次世代のが来るまでの時間が稼げるでしょう」


うわっ。さらっと怖い事言ったよ。

今回の場合は鳥や海洋生物だけど、それを人間だと考えてみたら……。

『やっかい者が攻めてきます。

 2年は攻めてこないように出来ませんか?』

『では、将軍クラスを駆除しておきましょう。

 次の将軍が決まるまでの時間が稼げるでしょう』

って事になるよね。

あっさりと駆除とか言うんだもん。

やっぱり仏様も神様なんだな……。


空と海の話をしてきたが、ニーベル国はそれよりも陸が気になるようだ。

やはり大森林の事。

意を決して質問するようだ。


「ニーベル国のネモトと申します。

 大森林の事ですが。伐採は不許可、採取・狩猟は許可とおっしゃいましたね」

「はい、そうです」

「具体的な品や獣は教えてもらえないでしょうか?

 これまで誰も立ち入る事をしなかったので、情報が無いのです」

「なるほど。

 貴方達の魔法で鑑定する物があったでしょう。

 それを使えば判ると思いますよ」


鑑定で判るのか。

あっ、ちょっと気になったから聞いてみよう。


「すみません。ちょっと良いですか?」

「はい、福田さん。何でしょうか?」

「鑑定って魔法ですけど。

 何で鑑定したら判るんですか?」

「それは私が答えよう」

「あっ、お願いします」


それに乗ってきたのはノートルダム国王。

魔法の話になると早いね。


「鑑定は全ての物にあるステータスを見ているのだよ」

「へ~」

「いえ、違いますよ?」

「「えっ?!」」

「まぁある意味合ってますが。

 正確には世界の事を全て書いてある情報元にアクセスしているのです。

 ステータスもそこから来ているのですよ。

 例えばこのお菓子を鑑定したとしましょう。

 すると情報元にアクセスして、それの情報を出しているのです。

 ステータスも同じ事をするので、内容が違う事はありません」

「そうだったんですか!!」


ノートルダムは大興奮だ。

すげーな、情報元。どれだけ分厚い本なんだよ。

あっ、別に本って言ってないか。

HDDだと思えば、大した事無いように感じるね。

そのHDD、中身をコピーしたいわ~。

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