ファンタジー!
おっと、重要な事を聞いておかないと。
「その新しい大陸には、住人は居るのですか?」
「はい。居ますよ。ドワーフやエルフが主な人種です」
おおっ! ファンタジー!
異世界の定番じゃないですか!
ナグラさんが泣いて喜びそうだ。
「それは背が低かったり、長生きするんですね?!」
「はい? 違いますよ。そういう名前の人種なだけで、皆様と変わりないですよ」
「は? じゃあ何でそんな人種名に?!」
「ドワーフは鍛冶が得意だから、エルフは弓が得意だからですかね。
福田さんに判るように言うなら、日本人とアジア人とアフリカ人くらいの違いだと思ってください」
……何とも夢の無い話だ。
つまりはエルフはモンゴル人だという感じか。
騎馬で狩猟をするモンゴル人なイメージ(個人的な感想です)。
ナグラさんが泣きながらガッカリしそうだ。
「言語はどうなんです?」
「言語はこちらと同じです。違うなら統合しようと思いませんよ。
あぁ、通貨は違いますので気をつけてください」
「容姿はどうなんですか?」
「ドワーフは色黒ですね。エルフは金髪です」
本当に地球の違う国の人の話みたいだ……。
ファンタジーはどこに行ったんだろう?
「まぁ、かなり離れていますから、そう簡単には出会う事は無いでしょう。
現時点では、福田さんの船くらいしか行く方法が無いと思いますよ」
「セキハイムやコルラド国にある船では無理ですか?」
「運が良ければ着くかもしれませんね。向こうも同じようなレベルですので時間がかかるでしょうね」
大航海時代が来るのか。
それはそれでそそられるな。
あのゲームは好きだったんだ。
「福田さん、大航海時代になると考えてますね?」
「判りますか?」
「ええ。顔に出てますよ。でもそうはならないでしょうね」
「えっ?! 何でです?!」
「だって、魔法があるじゃないですか。
例えば福田さんが自分の船で向こうの大陸まで行って『門のシール』を設置すれば終了です」
……本当だ。
それで自由に行き来できるじゃないか。
いや、それでは面白くない!
俺はこっそり行くとして、各国には自力で行ってもらおう。
この項目は清書しないようにしよう。
「私からはこれくらいですね。何か質問はありますか?」
「いや、まだ誰も再起動してませんけど……」
「困りましたね。では少し待ちましょうか」
神様3人と雑談をしたりお茶を飲んだりしたが、誰も再起動しなかった。
1時間も待ったのだが……。
しょうがないので、強制再起動する事に。
こういうのは親しい人からしていくのが良いだろう。
って事で、まずはニーベル国王からだ。
こういうのはね、コツがいるんですよ。
そう、脳天に60度の角度でチョップ!
あれ? 起動しないな。ではもう一度。
おかしいな、では左手で。
面白くなってきたので、今度は両手で……。
「痛いわ!」
「ちっ、起動したか」
「お前さぁ、一応俺王様だよ? その頭をポンポンと気軽に叩くってどうなのよ?」
「動かないからだろ? さ、ネモト卿とヌマタ卿を起こしてくれ。
俺は他の人を起こすから」
「起こす? んんん?! 何で皆固まってるんだ?!」
「そこからかよ! いいからとにかく起こせ!」
そのまま俺はモリタ君の下へ。
モリタ君は何発で起きるかな?




