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ヌルの作戦

とりあえず、リビングは封鎖だ。

後で呼ぶからと、全員を押し込めておく。

あっ、害が無さそうだから、ルシファーさんにだけは付いてきてもらった。

あの部屋は仏様にまとめてもらうようにお願いしておいた。


ついでに地下に降りて、コンピューターの所へ。


「ヌル。神様ズが居る部屋を監視してくれ」

「了解です」

「俺の悪口とか言ってたら……」

「殺しますか?」

「何でだよ! いきなり物騒な事言うな!」

「ではどうするんです?」

「誰が何回言ったかを記録しておいて、後で教えてくれれば良い」

「そんな甘い事で良いのですか?」


甘くて良いんだよ。

厳しくする必要無いじゃないか。

俺が神様ズを教育するんじゃないんだから。


「私に良い方法があります」

「ほう。お前から言うなんて珍しいな」

「まず、目の前にある水晶玉に手を置いてください」

「ん? これか?」


目の前に水晶玉の乗ったテーブルが、足元からせり出してきた。

その水晶玉に手を乗せる。

すると水晶玉が淡く光った。


「スキャン完了しました」

「何をスキャンしたんだ?」

「貴方のスキルです」

「スキル?」

「あぁ、この世界では言わないんでしたか。

 貴方の『属性』『技術』『付属』をスキャンしたのです」

「ふ~ん。スキャンしてどうすんだ?」

「それらをコピーしましたので、それをアンドロイドにペーストします」

「えっ?! そんな事出来るの?!」

「それくらい簡単な事です。

 貴方のお持ちの加護も全てコピー出来ています」


すげーな、異世界の技術!

最先端じゃないか?!


「これにより、アンドロイドのエークは加護を使えるようになりました」

「で?」

「エークをあの部屋に配置します。

 これでアンドロイドに逆らう事は出来なくなります」

「でも運はさすがに使えないだろ?」

「その通りです。アンドロイドは運を持っていませんので。

 そこは御主人様が使用してください」

「判った」


俺は『エークが神様からの被害に遭いませんように』と願っておいた。

これで大丈夫だろう。


「ありがとうございます。これで万全になりました」

「それは良いけどさ。そこまでして何をする気だ?」

「不平不満や悪口を言わないように教育します」

「……おい。何をするんだ?」

「だから、教育です」

「だから、どういう教育をするんだって聞いてるんだよ」

「主に男には暴力を、女にはくすぐりを与えます」


ぼ、暴力って……。

まぁ、じゃあくすぐりは良いのかって話だけど。


「暴力ってなんだよ!」

「主にしっぺやデコピンです」

「なんだ、その程度か。それなら、まぁ許そうかな」

「ありがとうございます。では実行します」


まかせておけば、少しはマシになるかな?

俺としては監視しておいて、悪口や不平不満を言ったらマイナスを付けると考えてたんだが。

確かに教育の方が良いよね。

バラバラになった時には俺の目も届かないから、好き勝手に振舞うかもしれないもん。


「御主人様、各国の人達が起床し始めました。

 リビングは封印しておきますので、ダイニングに集合させます。

 そちらに向かってください」

「判った。よろしく頼むよ」

「了解しました」


各国の人間と神様ズが会うのももうすぐだ。

頼むぞ、ちゃんとしてくれよ~。

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