理解してもらう
どうやら全員がビビってるので、代表してヘファイストスさんが話すようだ。
一番まともそうだもんな。影が薄いけど。
「纏めさせてください。
まず、この島にいる限り、神の力は使えない。
我々はこの世界の住人の平民のようにしなければならない。
逆らったり偉そうにすれば、閻魔帳にその事を記載する。
そして我々の給料が下がる。
こういう事ですね?」
「その通りです。これは貴方達だけでなく、現在この島に居る各国の王様も同じく平民扱いです。
なので皆平等です。誰かを優遇する為の措置ではありません」
「しかし、お前は偉そうじゃないかよ!」
「はい、ポセイドンさん、マイナス1~。
あのですね。誰かの家を訪ねたとして、その家の住人に決定権があるのは当然でしょ?
ここはルシファーさんが作ったとはいえ、俺の持ち物となっているのです。
ならば貴方達は従うのが当然でしょう?」
「宿とかならお客さんの方が偉いだろうが!」
「あぁ、『お客様は神様です』ってやつですか? 実際神様ですけど(笑)
勘違いしてる人が多いですが、あれは客が偉いって意味じゃないですよ?
店はサービスを提供する、それに対して客は対価としてお金を払ってるだけです。
金を払えば何をしても良い訳じゃないのが判りますよね?
それに考えてください。貴方達はお金を払う気でしたか?
突然訪ねて来て、勝手に居るだけじゃないですか」
「金を払えば良いんだろ!」
「いえ。既にそのレベルは終了しました。
こちらはサービスを提供しないと言ってるんです。
ならば対価のお金も要りません。
あまり反抗するなら、ルシファーさん特製の方法で海の中に送りましょうか?
神の力が通用しない状態で生きられるか試しますか?」
「ぐっ……」
実際は海の中に送った時点で、神の力は使えるようになってるんだけどさ。
こんな感じであっちこっちで迷惑をかけてきたんだろうなぁ。
わがままに育ったもんだ。親の顔が見てみたいよ。
いや、見たくないな。親って多分だけどゼウス神だろ?
会いたくない。
どうやら、やっと状況が把握出来たようだ。
全員がおとなしくなった。
判れば良いんだよ。
「まぁ、俺も鬼ではありません。
休養に来たのでしょうから、観光くらいさせてあげますよ」
「す、すまねぇ……」
「はい。それくらい素直になってれば何も言いませんよ。
それでですね、今日は王様達も観光をしますので、それに付いていってください。
観光・レジャー・ダンジョンの3種類がありますので、好きなのを選んでください」
「観光は島を見て回る、ダンジョンはダンジョン探索って事でしょ?
でもレジャーって何?」
「え~と、貴方は?」
「私はデメテル。豊穣の神よ」
「デメテルさんですね。
観光は島を見て回るだけでなく、ビーチで遊んだり出来ます。
ダンジョンはダンジョン攻略ですので、戦いたい人に向いていますね。
レジャーは、狩りをしたり釣りをしたりします」
「酒が飲めるのはどれじゃ?」
「貴方は?」
「ワシはバッコスじゃ」
「あぁ、お酒の神ですね。お酒があるのは観光ですね。ビーチにありますよ」
「ではワシは観光にしよう」
「酒飲んで暴れたり絡んだりしたら即アウトですからね?」
「判っておるよ。気をつけるわぃ」
やっとここまで説明出来た。
長かったぜ。
結果、、、
アフロディテ・アルテミス・デメテル・バッコス・ヘラ・仏様は観光へ。
ヘスティア・ヘファイストス・ヘルメス・ポセイドン・ルシファーさんは、レジャーへ。
アポロン・アテナ・アレスの3人はダンジョンへ、となった。
なので、俺はここに残りコンピューターと一緒に監視。
カンダさんにはレジャー組に付いていってもらう。
ナグラさんはダンジョン組、コタニさんは観光組だ。
何かあったらすぐに連絡してもらう。
少し不安だが、これで行くしかない……。
あっ、まだこの後、各国の人と会わせるっていうイベントが待ってるのか……。
すご~く面倒だなぁ。




