サミット終了
結局トイレ談義で午後の会議が終わってしまった。
そう言えば日本でも、外国人が驚くランキングにトイレってあったような。
各国が自分の国にも設置したいと言ってきたが、俺が設置した訳じゃないのでと断った。
そういうのは神様に直接頼んでくださいと言ったら、さすがに皆黙った。
まぁ、要望だしたのは俺ですけどね? そこは黙っておこう。
夕食の時間になると、さすがにダンジョン組も戻ってきた。
予想通り、アイ姫がゴネたので昼には帰れなかったらしい。
このままでは夕食に間に合わない時間が迫った時、カンダさんが一計を案じた。
全員に叫んだのだ。
「ここで引き返します。反対の方は残ってもらって結構です。
しかし福田さんはどう思うのでしょうね?いきなり海の中に転移されなければ良いですが」
これにより全員帰って来た。
そして俺に謝罪を述べてきたのだ。
いや、いくら俺でもそんなヒドい事はしませんよ。
せいぜい転移で自分の国に戻ってもらうくらいです。
二度と島には来れませんけど。
反省の意味も込めて、ダンジョン組の夕食はデザート抜きにしてあげた。
特に首謀者のアイ姫には、きついおしおきだ。
目の前にデザートを用意し、食べようとした所でチョロに横取りさせて目の前で食べさせた。
最初から食べられないよりもきついだろ? ふふふ。
涙目になってたから、明日以降は自重するだろう。多分。
その夕食の席で、気になってた事を聞いてみる。
「明日は何の議題で話すんですか?」
「ん? 何を言っているのだ、福田君。会議は終わったではないか」
「え? だって二泊三日でしょ? まだ日にちはありますよ?」
「明日からは休養だよ」
「はぁ?! 聞いてないんですけど?!」
「言ったら反対されると思ってのぉ」
「王様達が何言ってるんですか!」
「いや、王だからじゃよ」
「どういう意味です?」
「王は王であり続けるのじゃ。つまり365日休み無しじゃ。
仮に休むとなっても、王である事からは逃げる事はできん。
だが、ここでなら気兼ね無く休む事が出来るであろう?
福田君も言ったではないか、身分差は無いと。そんな素晴らしい場所はありえないのじゃよ」
そう言われれば納得だ。
王は常に王だ。勝手にや~めたって訳にはいかない。
会社のように決まった休みがある訳でもないし。
見られるのも仕事だからだらしない格好をする事も出来ない。
どこかの王はギャンブルをしに行こうとしたらしいがね。
どんなに優秀な家臣が居ても、最終決裁は王の仕事だし。
たまには休みたい時もあるか。
「それならそう言ってくださいよ」
「だから反対されると思ったのじゃよ」
「そこまで鬼じゃないですよ。
でも、どうせ休むなら王妃、奥さんも連れてくれば良かったのに」
「「「「羽根を伸ばしたいんだ!」」」」
あっ、ノートルダムとロッツギル以外から抗議の声が。
そうですか、嫁からの逃げたかったんですか。
まぁ、俺は優しいからね。
後で王妃様にはそれとなく教えてあげよう(ニヤリ)。
「じゃあ、明日はどうするんですか?」
「島の観光だ」
「観光ですか」
「ま、それぞれやりたい事は違うだろうがな」
「ふ~ん。でもバラバラに行動されちゃあ困るので、2~3チームに分けますか」
「ほう? 例えば?」
「観光・ダンジョン・レジャー、ってのだどうです?」
「観光とダンジョンは判るが、レジャーとは?」
「釣りとか狩りとかですかね」
それを聞いた王様達は、話し合いを始めた。
中には護衛の人にダンジョンの事を聞いてる人も居る。
勿論コルラド国王だけどさ。
さて、誰がどこに行くのかな?




