暴露
何故か国際裁判の裁判官にされてしまった。
ならばこの強権を生かして、軽く各国に嫌がらせをしておこう。
「では俺が裁判官になったので、俺が法を決めます。
各国はそれを遵守してください。良いですね?」
「まぁ、問題無いだろう」
「どうしても法は必要だからな。良いだろう」
「福田君なら変な事は決めないじゃろうて」
「では。
まず国同士が揉めた場合、必ず両国の王様と原因になった人は参加してください。
そして、両国を弁護する国を隣接しない国から出してください。
両方共守れなかった場合その国は自動的に負けとします」
「ちょっと待て! それじゃあ我がニーベル国は、セキハイムかロッツギルしか頼む国が無くなるじゃないか!」
「そうですね。でもそれは俺が基本的にニーベル国に居るって事でチャラでしょ。
頑張って2国の内のどちらかを説得してください」
「その内のどちらかと揉めてれば、実質1国じゃないか……」
「揉めなければ良いんですよ。
では次。俺が決めた判定には逆らわない事。
その場合は報復しますので」
「怖い事を言うな……」
「逆らわなければ問題無しです」
「そりゃそうだが……」
「それとも全員で決めたくせに逆らう気があるんですか?」
「いや、無い……」
皆が俺を選んだんだ。
俺が法律だ! フハハハハハ!
「後、これが一番重要ですが、裏で何か工作した場合です。
証拠隠滅や口裏合わせとかですね。この場合はすぐに負けにします」
「それはバレなければ良いとする者も出てくるのでは?」
「バレずに済むと考えるなら愚かとしか言えませんね」
「む? 何故言い切れる?」
「ニーベル国とセキハイムなら判るでしょ? 俺が係わってる人、そしてこう言い切れる理由が」
「「う、うむ」」
「おう、ニーベルの。何を知っておる?」
「セキハイムもだ。我々が知らない事を知ってるようだな?」
「福田君、話しても良いのかね?」
「いずれ判るでしょうから、良いですよ」
「そ、そうか。では……」
「いや、ニーベル8世よ。私が話そう。
福田君はな……神様と繋がりがあるのだよ……」
「「「「??!!」」」」
全員がビックリしてるね。
セキハイムの王は加護までもらったしさ。
ニーベル国ではダンジョンの時に空に顕現した。
あっ、いずれ判るってのは本当。
だって、どうせもうすぐ神様が島に来るだろ?
あの神様の事だから、やっぱり来ないなんてありえない。
「ふ、福田君……。冗談じゃろ?」
「いやぁ。本当ですよ」
「マジでか?」
「マジです」
「事実?」
「事実です」
「本当に?」
「クドいわ! じゃあ、この島を考えてみろよ!
誰が島なんて作れる? バカみたいな防衛力は? ここに来た方法は?
こんなの誰にもバレずに出来る人や国があるか?
じゃあ誰がやった? そんなの神様に決まってるだろ!
世界を造れる神様だ。島を作るなんて簡単なんだよ!」
「「「「……」」」」
どうやら納得してもらえたようだ。
いや、違うか。脳が処理を止めたみたいだ。
マウスの矢印がクルクル回ってるみたいになってるわ。
再起動が必要かな?
「……ニーベルの。どこで知った?」
「……ダンジョンを福田君に作ってもらった時に、空に姿が顕現した」
「……セキハイムは?」
「……福田君にバカな貴族が絡んだ時に、お会いした」
「なんと! お会いしたのか?!」
「その時は大天使様だったがな。恐れ多くも加護まで貰ったよ……」
「加護?!!」
「はいは~い。静かに~。これで判ったでしょ。
もし裏工作しても神様の目までは誤魔化せない。
必ずバレます。それでも自信があるならやってみても良いですけど」
全員沈黙ですか。
何か言ってくれよ。
あっ、俺が静かにって言ったんだった。




