ヌルの攻撃能力
現代科学や技術を、中世レベルの世界に持ち込んではいけないと思いました。
今日ほどそう感じた日はありません。
でも大丈夫! 何故なら最初に『火薬の無い世界』を選んだのだから!
だから、銃などの現在兵器は無いのです!
宇宙空間から攻撃? 無理無理。
とまぁ現実逃避をしてみたのだが。
このコンピューター、堂々と言いやがりましたよ。
「宇宙空間の衛星からの攻撃方法ですが、2通りあります。
1つは、精密攻撃。太陽光を収束してピンポイントで照射します。
1つは、広域攻撃。宇宙空間に漂う隕石を回収して落とします」
はい。火薬なんて優しい物でした。
こっちの方が危険度MAXです。
太陽光を収束して照射? 何度になるんでしょうね?
隕石を落とす? 魔法では定番ですね。大きさを間違えると氷河期になりますよ。
「アホか! 却下だ却下! 危険すぎるわ!」
「大丈夫です。こちらに手を出さなければ攻撃しませんので」
「そういう問題じゃない! 攻撃のレベルが違いすぎるって言ってるの!」
「しかしこれくらいしても、簡単には行かないと」
「お前の居た世界と一緒にするなよ! こっちじゃあ、そんなの防ぎようがないって!」
「そうですか。まだ情報が足りないようです。
ではレベルを合わす為に、情報収集の許可を下さい」
「許可するよ! ちゃんと考えてくれ!」
「承りました」
危ないなぁ。
いくら専守防衛とはいえ、過剰防衛になるぞ。
ん? 今、俺は何の許可を出した?
情報収集の許可? それって、最初に言ってた監視体制の事じゃないか?
もしかして、コンピューターにハメられた……?
え~と、よし! 聞かなかった事にしよう!
そう! 国なんかが俺に攻撃しようとする訳無いしね!
それに、運を使って回避すれば良いんだよ。
気にしたら負けだ。これはバケツ、これはバケツ……。
「じゃ、じゃあ、アンドロイドの教育も頼むよ」
「承りました。既に一般レベルの執事教育は済ませてあります。
ご主人様の家に居る執事レベルまで引き上げます」
「えっ? ヒタキさんレベルにするの?」
「はい。それが最適だと判断しました」
「……まぁ、いいか。ところでどうやって教育するの?」
「はい。まず目標の脳をコピーして……」
「はい却下! 何をヤバそうな事言ってるんだよ!
ちゃんと本人に許可を取って、教えてもらえ!」
「承りました。しかしそれでは少々時間がかかりますが」
「大丈夫だよ! もうすぐサミットがあるので出かけないから!」
「承りました」
ふう。物騒なコンピューターだよ。
さ、これで用事は終わりかな?
「福田君。サミットって何やるの?」
「えっとですね、各国の王が集まって会議するんです。
会場は何故かこの島になりましたけど」
「へ~。面白そうだね。私も参加しよう」
「そうですね……って! はぁ?! 何で?!」
「この世界を造った神様だよ? その世界の人間がどんな話し合いをするか興味があるじゃないか!」
「戻っても見れるんでしょ! そっちで見てくださいよ!」
そう、映像と音声は映るんでしょ?
しかもやろうと思えば心の中も判るんでしょ?
そっちの方が楽じゃん。
心の中も判る国会中継を見るような物なんでしょ?
「いやぁ、島はまだ音声が入らないんだよ。さすが異世界!
作った人は天才だね!」
「そうですね、天災ですね」
「ん? 何かいまおかしくなかった?」
「いえ? 気のせいでしょう」
「大丈夫、こっそりと見てるから!」
「どこにも大丈夫の保障が無いんですけど……」
はい。サミットには神様も参加決定です。
どうせどんなに反対しても来るんだろ?
というか、反対すればするほど、無茶な方法で現れる気がする。
それならもう参加差せた方が、監視出来て良いと思う。
まぁ、何かしても止められないんだけど。
誰か止められる神様も呼ぼうかなぁ……。
でも神様が増えるのもなぁ……。
う~ん、ジレンマだ。
増えてきたので、別ページに従魔達の紹介を掲載しました。




