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可哀想なレイ

さて、名前は決まったのだが、だからと言って区別が付くわけじゃない。

という事で差別化をしようと思う。


「このままじゃ差が判らないからどうにかしたいんだけど」

「やっぱり外見を変えるのが一番っス」

「だよねー。何かあるかな?」

「こないだ買い物した中に何かあると思うわ」


そう言ってナグラさんはアイテムボックスの中身を探り出した。

そして出て来たのは、メガネ・帽子・サングラス・ブレスレッド・イヤリング・ネックレスの6品だ。

どれだけ買い物したのか聞くのが怖いな。


その中から、判り難いブレスレッドとネックレスは削除した。

サングラスも暗い所では意味が無いので削除。

残ったのは、メガネ・帽子・イヤリング。

一応執事の服装をしているからと、女性陣から帽子は却下された。


結果、メガネとイヤリングになった。

なので、エークはそのまま、オリはメガネ着用、ティガはイヤリング着用と決定。

これで区別が付きやすい。

ついでにエークは島担当、オリは船担当、ティガは馬車担当と決めておいた。


「これで完璧だね! さあ、次は島のコンピューターを見に行こうか」

「……そういえば、そんなのもありましたね」

「そうだよ。おっと、その前に」

「何です?」

「馬車に取り付いていた従魔だけどさ、改造したら外れたから持ってきたんだけど」

「レイー!」


レイはぐったりしたまま、ルシファーさんに持たれている。

いや、スライムだから元気は判らないけど、ドロっとしてるからぐったりしてるんじゃないかな?


「ちょっと可哀想だったから、少し改造しておいたよ」

「何してるんですか!」

「大丈夫! 神獣にはなってないから! ちょっとテリトリーを広げてあげただけだよ。

 100m四方くらいは範囲に入るよ~」


それでちょっとか?!

まあ良い。丁度良いから王都の家を守ってもらおう。

それだけ大きければ問題無いだろう。


「じゃあ、島に行こうか!」

「その前に! ついでだから、そのコンピューターにも名前をつけましょう。

 ナグラさん。ゼロってなんて言うのがあるの?」

「えっと、レイ・ゼロ・ヌル・スフル・ワラ・ノル・オレ……」

「ストップ! もういいよ! レイはカブるし、やっぱり2文字が良いし。

 ワラはダサいし、オレは1人称みたいだし。ヌルにしよう。うん、そうしよう」


どれだけ知ってるんだか。

本当に記憶力を他で発揮して欲しい。


「じゃあ、本当に行こうか」

「はいはい。じゃあちょっと行ってくるわ」


俺とルシファーさんだけで島に移動した。

移動は当たり前のように、ルシファーさんの能力で転移。

その能力が欲しいです。


家の玄関の横に2階に上がる階段があるのだが、その横に扉が出来ていた。

確かここに扉は無かったはずだ。

そこを降りると、広い石造りの部屋に出た。

おかしいな、1階分しか降りてないはずなんだが。

やはりここも変な力で拡張されてるんだろうな。


しかし、何で石造りなんだろうか?

こんな所までバビ○2世のバビルの塔っぽくしなくても良いんだが。


そして、予想通り、目の前には巨大な台形型の物が。

うん、間違いなくあのコンピューターだわ。

ここまでの能力があるのに、何でこんな大きさが必要なのだろうか?

絶対に趣味だろ、これ。


大体、今時さぁ、ランプが点滅するような装置なんかあるか?

パネルに付いてるのも、キーボードじゃなくてスイッチばかりだぞ?

新しいのか古いのか全然判らないな。


「ワタシガ、チョウコウセイノウコンピューターデス」


喋った!

しかし、なんで片言なんだ?

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