十二神
「じゃあ、コンピューターとアンドロイドの命名は任せるよ。
さすがに同僚の名前を付ける訳にはいかないからね」
「同僚ですか?」
「ポセイドンだよ。十二神の1人なんだ。ちなみに彼は海の神だね」
「へ~、十二神って誰が居るんです?」
「えっとね~……
アテナ・アフロディテ・アポロン・アルテミス・アレス・バッコス・デメテル・ヘスティア・ヘラ・ヘルメス・ポセイドン」
「11人しか居ませんけど?」
「えっ?! 1、2、3、……本当だ!
えっと、えっと、あっ! 思い出した! ヘファイストスだよ!」
「……何の神様ですか?」
「鍛冶の神さ! あいつは影が薄くて……」
可哀想に。
同僚なんだから覚えてあげてくださいよ。
「誰か紹介しようか?」
「いえ、結構です」
「ヘルメスなんかオススメだよ。なんたって旅の神だからね!」
「いえ、結構です」
「アテナは戦いの神だから、戦闘に有利になるよ」
「いえ、結構です」
「じゃあ……」
「いえ、結構です」
「……食い気味に断ったね。
いいよいいよ、今度勝手に島に招待するから」
「ちょっと!」
「だって私が改造して君に渡したんだから、使う権利はあるでしょ!」
「判りましたよ。使っていいですよ。ただし、誰も居ない時にお願いしますね」
「はいはい、判りましたよ」
これでよし。
あそこにはロッカさん達従業員が居るから、誰も居ない時ってないんだよね。
だから行く事は出来ないのさ!
あぁ、ヘファイストス神くらいは招待しても良いかも。
なんか不憫だからさ……。
「ところで、何でアンドロイドなんですか? ロボでも良いと思うんですけど?」
「おっ、ナグラちゃん。良い所に気づいたね。褒めてあげよう」
ナグラさんはちゃん付けで呼ばれたのと、頭を撫ぜられてる事で混乱している。
でもそうだよね。別にロボでも良いと思う。
「何でアンドロイドかと言うとね。人の住んでいる所で働くからだよ」
「えっと、どういう事です?」
「人が住んでいる所は、人に便利なように作られているんだ。
それに合わすなら、人の形をしている方が良いだろ?」
なるほど。
例えば階段。キャタピラなら登れるだろうが壊しそうだもんね。
ドアノブにしてもそうだ。ドラ○もんの手のような形だったら回しにくいだろう。
結局、人間の作った場所に合わすなら人間の形が一番って事か。納得。
「それに知らない人が見てもバレないだろ?」
「そんなに人間に近い形をしているんですか?」
「そうだよ。この世界でなら、絶対にバレないと思うよ。
傷つけば機械が見えてバレるかもしれないけど、傷つけられるほどの生物がいないからね」
……またもや、最強なのが配下になったようです。
この世界という括りで考えると、トムさんやタロージローよりも強い可能性があるな。
「そうそう、一応皆に会わせておこうか。名前も付けてもらいたいしね」
そう言うと、ルシファーさんは手を横に振った。
あっ、これ見た事ある。
アポロン神が王様を呼んだ時のだ。
気づけば、ルシファーさんの後ろに3人の男の子が立っていた。
あれっ? 男の子?!
ラノベやアニメに影響されてるから、絶対に女の子だと思ってたよ!
で、色んな種族の女の子を揃えて「ハーレム」状態にするんだと。
もしかしてBL展開狙い……? お断りだ!!
まぁ、何にしろ手を出す気は無いんだけどさ。




