神の祝福を!
「私は……2つ目を選択します!」
えっ? マジで?
2つ目って、神の呪いを受ける事だよ?
確かに喋らなければ問題無いけどさ、でもそれなら3つ目でも良くない?
「2つ目と3つ目で悩みましたが、福田殿や神様の信頼を得るには2つ目が最適だと思いました。
なので、私は2つ目を選択します。甘んじて呪われましょう」
「そうですか。判りました。では今から行うので動かないでくださいね」
「御心のままに」
王様はイイクラさんの前で片膝を付いた。
するとイイクラさんが手のひらを王様の頭に乗せる。
王様の体は徐々に光始め、1分後には治まった。
「はい。これで終わりです。ステータスを確認してください」
「判りました……えっ?! これは……」
王様が自分のステータスを見て驚いている。
う~ん、俺だけ蚊帳の外。
ヒマだし、ちょっと鑑定させてもらおうかな。
魔法を使って王様のステータスを確認してみる。
すると、『付属』に呪いではなく『イイクラの加護』が付いていた。
未だに王様は驚いているので、俺が替わりに聞いてみる。
「イイクラさん、加護が付いてるんですけど?」
「はい。さきほどのは試練なのです。
この人物は何を選ぶかというね。
1つ目はハズレです。選んだ場合は、本当に死にます。
3つ目もハズレです。選択した場合は、神に会ってから現在までの記憶を消します。
勿論2つ目を選んだからと言って、正解ではありませんよ?
さきほど手をかざした時に、その人のカルマを見たのです。
今回は問題無いようでしたので、加護を与えました。
加護を与えていれば、監視出来ますからね」
怖いコメント、ありがとうございます!
「しかし、福田さんも知っている通り、加護を受けていれば良い事も多いですから損はありません。
喋らなければ良いだけですので、間違っては無いですよ?」
喋らないのであれば、同じ事か。
それに加護を受けていれば、確かに得するね。
……イイクラさんの加護って何だったっけ?
「という事で、王よ。貴方の誠意を感じ、加護を与えました。
加護に恥ずかしくない生き方をするように。それと判っているとは思いますが、神の信頼を裏切らぬように」
「は、はい! ありがとうございます!」
「そうそう、加護については福田さんが詳しいので、そちらに聞くように」
「判りました!」
俺に丸投げするなよ!
仕事は最後までやって行きましょうよ。
「最後に福田さん」
「何です?」
「私は天使ではありませんよ?」
「えっ? あれっ? 違いましたっけ?!」
「私は区分で言えば『大天使』です。間違いの無いように」
「あれっ? そうでしたっけ?! じゃあアサイさんも?!」
「非常に悲しい事ですが、そうなりますね……」
「そうなんですか……。どちらかと言えば悪魔の方が似合ってると思いますが」
「判っています。でも、悲しい事にそうならないのですよ! 悲しい事に!
間違っていると思うのですが、どうにもならないのです! 悲しい事に!」
なんという恐ろしい事実だろうか……。
それにしても3回も「悲しい事に」って言ったな。
よっぽど悔しいのだろうなぁ……。
イイクラさんは、まだブツブツと言っている。
そして、言いながら帰っていった。
と言っても消えていくだけなんだが。
そして、加護について説明せずに帰って行った……。
頑張って思い出さないと!




