雑っ!
「もう祭壇は片付けていただいて結構ですよ」
「いえいえ、神様への感謝も込めて、このまま残しておきます」
「そ、そうですか。ちょっと恥ずかしいですね」
「アスクちゃんは、あまりこういうのが無いから、慣れてないのよね~」
「か、母さん!」
「良いじゃないの~。敬ってくれる、その心が嬉しいじゃない~」
「そうだぞ。世界には加護も無いのに、偉そうにしてるやつが沢山居るんだからな」
「エイレさんまで……。わ、判りましたよ」
「ありがとうね~、福田君~」
「いえいえ。こちらこそありがとうございます」
感謝してますよ。
従業員も、今は判らないだろうけど、出産するようになれば感謝するようになると思う。
「そ、そうだ、福田さん。ちゃんと加護が機能しているか確認してもらっても良いですか?」
「はい。ステータスを見れば良いんですよね?」
「そうです」
じゃあまずは自分のを確認するかな。
-付属-
スフィアの常識
マジックボックス
アサイさんの加護
イイクラさんの加護
オークション参加資格
閻魔様の加護
シヴァ神の加護
カーリー神の加護
コローニス神の加護 new
うん、ちゃんと付いてるな。
しかし、こうやって見ると、加護だらけだよな……。
大丈夫か、これ。
次はヒタキさんを確認しようか。
……うん、ちゃんと加護が付いてる。
ん? 『技術』に『医術』ってのがあるけど、Aになってる。
元々なのかな?
「ヒタキさん。ステータスを見られましたか?」
「いえ。まだ見ておりません」
「見てください。『医術』がAですけど、元からそうだったんですか?」
「いえ。簡単な手当てくらいは出来るので、Fだったと思いますが……。おぉっ! 何と……」
「……アスクさん?」
「ええ。加護の力ですね」
「簡単に言いますね! 良いんですか、これ?!」
「問題ありません。それよりも惜しんで、福田さん達の治療が出来ない事の方が問題なので」
雑! 神様は、基本的に考え方が雑だよ!
貴方達はそれで良いんでしょうけど、こっちの世界では大問題だよ。
専門的に学んだ訳でも無いのに、加護を貰うだけでAになるんだよ?!
こうなってくると、他の人も心配だな……。
ナグラさんを確認してみるか。
「ナグラさんはどうなってる?」
「え~と、ちゃんと加護は付いてるよ。
んん?! 『技術』に『サマナー』と『医術』が付いてる!」
「えっ?! レ、レベルは?!」
「『医術』はF、でもサマナーはAになってるよ?!」
「……アスクさん?」
「それは僕じゃないですよ?!」
「サマナーは私の加護ですね~」
「『医術』は私だな」
「どういう事ですか?!」
「従魔を扱うのに『サマナー』が無いと意味無いじゃない~」
「こちらもだ。安産になるには妊娠の知識が必要だからな。だから『医術』が自動的に付く」
だから~、雑だってば!
そういう事は先に説明してくださいよ!
「……って事は、この家に居る女性全てに『医術(F)』が?」
「そういう事になるな。
あぁ、心配するな。ちゃんと島や他の町のお前さんの家で働いている者にも付けてあるから」
わ~お。
シャレにならない発言が飛び出したぞ。
って事はカジノの町で働いてるメイドさん達にも加護が付いたのか。
多分、いきなり自分が光って驚いただろうなぁ……。




