祭壇?神棚?
最終的に、誰がどの加護を貰うか決定した。
アスク神の加護
ヒタキさん
コタニさん(本人からの希望)
コローニス神の加護
俺
ナグラさん(本人からの希望)
エイレ神の加護
女性全員(屋敷のメイド等も含む)
こんなに良いのだろうかと思ったのだが、それくらいの事をしたので構いませんとの事。
大盤振る舞いだなぁ。
「そういえば、アポロン神を見た王様は良いのですか?」
「王のような権力者に加護を与えると碌な事にならないので」
確かになぁ。
あの王様が悪い方向に進むとは思えないが、きっかけを与える必要は無いって事か。
「福田さんにお願いがあるのですが」
「はい、何でしょうか?」
「これだけの人に加護を与えるとなると時間がかかるのです。
それをすぐに終わらせる為に、祭壇を作っていただけないでしょうか?」
祭壇を介して屋敷内に加護を行き渡らせるらしい。
教会の十字架のようなものか? いや、神社の本殿の方が近そうだ。
「判りました。どこにどのように作れば良いでしょうか?」
「場所はどこでも構いませんよ。サイズも自由です。
そうですね、神棚と言えば判りやすいでしょうか?」
「あ、なるほど。理解できました」
神棚なら実家にあったし、務めていた会社にもあった。
何となく判るぞ。
花瓶やお猪口は買ってくれば良いとして、問題は宮形と注連縄だね。
神様に聞いた所、注連縄は必要無いという事だった。
問題は宮形か~。こういう時はヒタキさんに相談だね。
「なるほど。小さい扉付きの建物ですね」
「そうなんですよ。作ってくれるような所はありますかね?」
「いえ、お待ち下さい。確か作っている所があったと思いますよ。
ギルドで聞けば判るでしょう」
「おぉ! じゃあ早速行きましょうか!」
「いえ、福田様はこちらの方々のお相手を。買い物は私が行ってまいります」
「あっ、じゃあ私が付いていくよ」
「そうか、ナグラさんなら知ってるもんな。お願いしても良いかな?」
「判りました。ではナグラ様と一緒に行って購入してきます」
「お願いします」
1時間ほどで2人は帰って来た。
問題の宮形だが、宮形と言うよりも木で作られたミニチュアの家って感じ。
どうやら子供のおもちゃらしい。ままごとで使うのだとか。
作りはしっかりしているけど、良いのかな?
そう思って聞いてみたら、問題無いとの返事。
しかも、使う子供の事を考えて気持ちを込めて丁寧に作ってあるので、最適だそうだ。
さすがヒタキさん。良い店を知ってるね。
一緒に花瓶・お猪口、ついでに花と酒も買って来てた。
完璧じゃないか。
これで設置出来る。
どこでも良いと言われたけど、やはり神様を祀る訳だから、玄関ホールの目立つ所にした。
テーブルを用意して、その上に並べていく。
並べ方は神様に聞いた。
完成すると、神様達は、宮形に自分の髪の毛を少しだけ束ねて切り、それを入れた。
おいおい、本物の神様の一部分が中にあるよ?!
これ、宗教の人達が知ったらエライ事になりそうだな!
「では、始めます」
そう言うと、3人の神様は光りだした。
それに連動して神棚も光りだす。
その光は家の中をあっという間に照らし出して、10秒後には収まった。
「これで皆さんに加護が付きました。ご苦労様でした」
「い、いえいえ! こちらこそ! ご苦労様でした!!」
今の光、外から見えてないだろうな?




