神様訪問
カンダさん達と合流し、船から王都に帰る。
船は全自動にして、島に戻るように設定しておいた。
これで全ての国の城に『門のシール』の設置は終了。
ネモト卿にメールで『設置は終了しました』と送っておいたので、後は日程の調整をするだろう。
それまではヒマになるね~。
な~んて、のんきに考えてました。
そんな訳無いよね。
ちゃんと面倒がやってきましたよ。
そうです、神様がやってきましたよ……。
やってきたのは、息子さんのアスクレーピオス神と、知らない女性が2人。
普通に玄関から訪ねてきた。
息子さんがすぐに判ったのはダンジョンの像と同じだったからだ。
あのダンジョン、神様の像が沢山あったのかも……。
だとしたら、色々見ておけば良かった。
こういう不意の出会いでも対応出来るだろ。
それにしても、ヒタキさんがお伺いも立てずに通すとは思わなかったよ。
リビングに居たら、突然「お客様がいらっしゃいました」って言って連れてきてるんだもん。
やはり神様は違うのかね。
「突然の訪問、失礼します」
「いえいえ、アスクレーピオスさんですよね?」
「えっ? 会ってないと思うのですが……」
「像を見ましたので」
「あぁ……。あれは忘れてください……」
まぁ、確かに忘れて欲しいかもしれない。
だって、腰布1枚でボディビルダーのようなポーズだったからなぁ。
俺だったら破壊するね。
「こちらのお二人は?」
「私はコローニスと言います~」
はい、もしやとは思ってたけど、アポロン神の奥さん登場です!
金髪だけど、黒目。おとなしそうな印象なんだが……。
何であんなに恐れるのだろうか?
「私はエイレイテュイア。コローの友人だよ。長い名前だから、エイレと呼んでくれ」
こちらは白髪で青い目に眼鏡。長い髪を後ろで束ねている。
何か学校の先生って印象。
息子さんと奥さんが来るのは判るけど、この人は何しに来たんだろうか?
「まぁ、立ち話もアレなんで、こちらにどうぞ」
「失礼します」
「それで、今回はどのようなご用件で?」
「勿論、父のした事に対するお詫びです」
まぁ、そうだろうとは思ってたよ。
でも子供じゃないんだから、親子で来なくても良いと思うんだけど。
「気にしてないですよ」
「色々な人から聞きました。確かに福田さんは笑って許してくれると。
しかしそれでは、また父が同じ事をする可能性があります。
それを阻止する意味でも、今回こうして訪問したのです」
「は、はぁ……阻止ですか。
それはありがたいですけど、どうするのです?」
「加護を与えるつもりでいます。
ご存知だと思いますが、加護を与えていると繋がりが出来るのです。
父が急襲した場合でも、すぐに把握出来るという訳です」
「なるほど。理解できました。
しかし、そんなに簡単に加護を与えても良いのですか?」
「閻魔様の許可を頂きました。
その為に、今日は母の友人のエイレさんにも来てもらったのです」
「えっ? どういう事ですか?」
「今、この家には妊婦さんが居られますよね?
エイレさんは、出産・安産の神なのです。その加護をこの家に居る女性の方々に与えようと思っています」
それを聞いたカンダさんは立ち上がって喜んでる。
まぁ、前世の日本ほど医療が発達してないもんな。
安産なんて、最高の加護だよね。
「私は医療の神なので、どなたにも加護が与えられないのですよ。
貰っても嬉しくないでしょう? なので、エイレさんにお願いしたのです。
男性の方には母から加護を与えたいと思っています」
「私は、従魔の神なんですよ~」
そんな神様居るの?!




