ゴメンね、ガチャの店
スロットの店は、昼過ぎだといういのに盛況だった。
あちらこちらから大きい声でのツッコミが聞こえてくる。
どういうこっちゃ?
従業員の人に話を聞くと、以前ツッコミでスロットを回した人が大当たりを引いたそうな。
それ以来、「ツッコミ回し」という名で有名になってるらしい。
的中率も少し上がったとか上がらないとか。
はい、完全に俺のせいですね。
落ち込んでいると、カンキジコンビがこっちにやってきた。
良い情報は手に入ったのだろうか?
「おまたせしました」
「いや、そんなに待ってないよ。それよりもちょっと移動しようか……」
「え~! 移動すんのかよ? ちょっと回していこうぜ?」
「ヤダよ。まだバレてないみたいだし、今の内に移動しようぜ」
「ちぇ~」
名残惜しそうなウエダさんを引きずって、近くにあった喫茶店に入る。
「で、何か良い物売ってた?」
「いえ、この町には良い物は売ってないようです」
「そりゃまた何で?」
「この町の一番近いダンジョンが、オオキの村のダンジョンだからですね。
そこまで強力な武器を必要としないので、自然と売らなくなったようです」
「そういう事か~。強い武器は強い敵が居る所で売ってるって事だね。まあたしかに道理だな」
「ギャンブルの景品としては置いてあるんじゃねぇか?」
「その可能性はありますが、この町の全部の店を見て回るのは大変ですよ?」
「たしかに。一応それは頭に入れとくとして、何か良い方法は無いかな?」
皆でウ~ンと唸る。
その時、カンダさんが珍しく良い事を言った。珍しい。
「こないだ出合った、武器商人の人はどうだ?」
「あぁ、たしか樽さんだったと記憶してるっス!」
「……体型で覚えてるんじゃないか?タルーンさんだろ?」
「くじ引きの会場に居た人ですね?まだこの町にいらっしゃるのでしょうか?」
「たしかあの時『所子の町で店を出しています』って言ってたと思う。そこってどの辺?」
「ここから馬車で3日ほど行った辺りですね。そこにもダンジョンがあります」
「……不思議なダンジョン?」
「? 不思議とは?」
「いや、忘れてくれ。
じゃあ今日はこの町で良い武器を景品にしてる店を探す。
その後1泊して所子に行く。これで行こう。ウエダさんはどうする?」
「いや、さすがに帰るよ。仕入れた物もあるしな」
「そうだったね。じゃあ1週間ほど旅に行ってくるよ」
「おう。帰ってきたらまた寄れよ」
「当たり前だ! ポチを預けてるんだからな!!」
危ない危ない、ウエダさんの家のペットになる所だったぜ!
アレはウチの子ですからね!
喫茶店を出た所でウエダさんとは別れ、武器を景品にしている店を探す事に。
当然簡単に見つかる訳が無いので、運を使う事にした。
『近場で、酸に強い武器を景品にしている店に行きたいな~』と願う。
願いながら歩いていると、知っている店の前に沢山の人が居た。
耳を澄ませば「本日やっと再開で~す!」と聞こえてくる。
そう、ここはガチャの店の前なのだ。
そういえばシキメとの争いの結果『上級者ガチャを引く権利(2回)』を手にしてたな。
今使ってる武器もここのガチャで手に入れたし、良い物があるかもしれない。
俺たちはガチャの店に足を踏み入れた。
当然のように従業員は恐れ、客は興奮している。
「おい、開店初日から帝王が来たぞ!」「狙ってたんじゃないか?」「女連れかよ! ケッ!」
「また中級者ガチャか?」「いや、うわさでは上級に挑めるようになったって話だぞ?」「あの娘、可愛いな」
「上級!じゃあ上級の景品も無くなるのか……」「いや、2回しか出来ないらしいぜ?」「お近づきになりたいなぁハァハァ」
「おい、お前も話に入れよ!」「帝王の女を見てんじゃねえ! 不幸になるぞ!!」
相変わらず野次馬は失礼だ!
それにしてもそんな情報をよく知ってるな?!
後、なんかヤバそうな男。こっち見んな!!
恐れてた従業員は無理矢理エンドウさんを連れてきた。
うわ~凄くイヤそうな顔をしている。顔色も悪いし。
「今日はどのようなご用件で?」
「え~と、上級者ガチャを……」
「やはり……あ~胃が痛い……」
「何かすみませんね」
「もう、そう思うなら、さっと回して帰ってください!!
1回20万ですよ!! あぁ上級者ガチャは1日1回ですからね!!
どうせ当てるんでしょ?! 武具のガチャの当たりは『ミスリルの剣』ですよ!!
さあさあ、景品を用意してくるので、さっさと移動して回しておいてくださいね!!」
キレられた……。
やっと25話まで修正しました…




