神様の解説
イイクラさんはその後にすぐ帰った。
向こうでの処理がまだまだあるそうな。
アポロン神、迷惑かけてるなぁ。
まぁ、俺もかけられたので、当然だという気持ちだが。
逆にイイクラさんが気の毒だ。
今度来た時は、美味しい物でも食べてもらおう。
俺はこのまま城に向かおうとしたが、まだ王様が居たので一緒に行く事に。
聞けば、城から馬車を呼んだので来るのを待っていたらしい。
なので、王様と同じ馬車に乗る事になった。
他の人(護衛等)を乗せなかったので、馬車の中でも話をする気のようだ。
「今回の事、誠に申し訳なかった。謝罪する」
「そんな王様に謝罪される事では……」
「いや、ああいう貴族を放置していた王の責任だ。すまなかった」
誰も見てないからって、頭を下げるのは止めて欲しい。
王様に頭を下げられたら、許すしか無いじゃないか。
どっちにしろ許すんだけど。
「判ったから、頭を上げてください!」
「う、うむ。
それでだな、詳しく調べる事になりそうだが、あの者には厳しい処罰を約束しよう」
「ん? 誰? あぁ、あの貴族ですか」
「おや、その程度かね?」
「いやぁ、それ以外の方が驚きでしたので」
「……そうだな。
それでだね……あれは、やはり……」
「ええ。本物の神様ですよ。アポロン神です」
「ど、どのような神様なのかね?!」
まぁ、気になるよね。普通会える訳無いし。
しかし、色々と喋って良いのだろうか?
いや、今更か。ま、俺が喋っても神様の誰かが良い具合にするだろう。
「ええと、この世界を造った神様の1人ですね。
それと、芸術と太陽の神でもあります」
「どのような力をお持ちかね?」
「それは俺にも判りませんよ。天候を操作する能力はあるみたいですけど」
「あの転移は能力では無いのか?」
「あれは多分、どの神様も持っているんじゃないでしょうか?」
「ふーむ……」
あれ? 考え込んでしまったぞ?
そんなに変な事言ったかな?
「福田殿も知っている通り、この世界は1人の神によって造られたと伝わっている。
それがあのダヒュテム神だ」
「は、はぁ……」
「……やはり福田殿は信じてないようだね。
まぁ、神様と会って話をしているようだから当たり前だが」
「いえ、それ以前に、そういう宗教的な話には興味が無くて、知らないんですよ」
「そ、そうなのか?! 誰でも知っている事だと思うが……。
いや、福田殿はニーベル国出身だったな。かの国では違うのだろうな。これはすまなかった」
いやね、知識としては知ってますよ?
誰かのせいで昔の知識ですけどね?
その頃には、あまり宗教的なのはあまり浸透してなかったんですよ。
俺のせいでニーベル国が遅れてると思われただろうか?
いや、逆に進んでると思われたかな?
「それでだな、福田殿。創生の事実を教えてもらえないだろうか?
勿論知っている範囲でかまわないのだが」
「う~ん、大した事は知らないですよ?」
「それでも良いのだ! 頼む!」
「はぁ。えっと、沢山の神様が一緒に造ったんですよ。その中にダヒュテムやアポロン神も居たってだけです」
「……何故、アポロン神には『神』を付けるが、ダヒュテム神には『神』を付けないのかね?」
「あいつはね、その後、色々と余計な事をして罪に問われたんですよ。
今はもう神じゃないと思いますよ。もっと偉い神に剥奪されたはずです」
「なんと! 神よりも偉い存在がおられるのか!!」
あっ、知られてなかった?!
ヤバい情報かな? 何か違う話で話題を変えなくちゃ!
「そ、そうそう、今度、迷惑をかけたって事で天使(?)がお詫びに来ると思いますよ?」
「な、な、な、なんだとーーっ?!」
そんなに驚く事かな?
多分イイクラさんが来ると思うよ。スーツ姿で。
あっ、もしアサイさんだったら、悪魔の使いだと思って諦めてください。




