表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
724/949

伯爵への尋問

「コジマ伯爵、貴方は騎手にお金を渡したか?」

「は、はい」


ピンポーン


「しかしですね! それは生活の為です!

 中にはどうしても勝てない騎手が居る。勝てなければ賞金は手に入らない。

 それでは生活が出来ないのです! なのでお金を渡していました!

 しかし、負けた騎手にだけお金を渡していると誰もが勝たなくても良いと思ってしまう。

 だから、上位の騎手には報奨金という形で渡していました!」


うわ~、一気に喋ったなぁ。

だがこれは質問じゃないので機械が反応しない。

そしてお金を渡した事を上手く正当化している。

これは前々からバレた時用に考えてたな?

見事な言い逃れだ。


さて、王様はどう質問するのかな?

言い訳出来ない、良い質問が出せるだろうか?


「では、賭博罪が適用される可能性を考えていたかね?」

「はい」


ピンポーン


「しかし、だからと言って国民を見捨てるような貴族にはなりたくありません。

 後日、進言しようと思っていましたが、なかなか機会が無く……。

 罰すると言われるのであれば、甘んじて受けましょう」


罰を受けても良いとまで言ったか。

こりゃ、調べる組織も買収していると考えて良さそうだ。

さて、王様は? ありゃ、負けみたいな顔してるな……。

意外と舌戦は弱いのかな?

しょうがない、俺が代わりますか。


「王様、俺も質問しても良いですか?」

「う~む……ん? 福田殿が? 別にかまわないぞ?

 コジマ伯爵も良いであろう?」

「……はい」


ピンポーン


少し葛藤があったが、論破出来ると考えたな?

甘いぞ? 俺は王様が知らない事を知ってるからね?


「じゃあ、質問します。それを聞いての判断は王様に任せますので。

 残り7問ですね。そうだなぁ。まず最初は……『ばんえい競馬』に決まるまで、他の国技を推していましたか?」

「そうだ」


ピンポーン


「もしその国にが決定した場合、貴方は多大な利益を得ていたと推測しますか?」

「……あぁ、そうだ」


ピンポーン


「だが、それはあくまで推測だろう!

 それに利益と言っても人の流れが活発になる事で、我が領地も潤うという意味だ! 勘違いするなよ!」

「はいはい。そうですね。では、残り5問は『はい』か『いいえ』だけでお答え下さい。良いですね?」

「……よかろう」


ブブー


「『はい』か『いいえ』だけって言ったでしょ? 『よかろう』なんて言うからブザーがなったんですよ?

 さて、後4問。昨日、俺もしくは俺の周辺の人間が襲われたら良いなと考えてましたか?」

「……いいえ」


ブブー


「なっ!」

「はいはい。次の質問しますよ。

 2日前、今日の5R~7Rに出走する全ての騎手を買収すると誰かと会話しましたか?」

「なっ、何を?!」

「答えてください? 答えないと……判ってますよね?」

「くっ……いいえだ!」


ブブー


「貴方が賭けた馬の色を上半身に、俺が賭けた馬の色を下半身に着る人を用意して、スタート付近に立つようにと誰かと話をしましたか?」

「…………はい」


ピンポーン


あら。どうやら観念したようだね。

素直にはいって言っちゃったよ。


「それにより騎手に勝敗を決めるように指示した訳ですね。

 じゃあ、最後に1つ。

 今まで、『バレたら言いくるめれば良い』もしくは『目撃者は消せば良い』等を考え、買収等の犯罪をしてましたか?」

「…………」

「最後に黙秘ですか?」


さすがにこの質問には返答出来ないようだ。

致命的な質問だもんな。しかも答えは肯定か否定のみ。

しかも答えれば正しいか偽りか即座に判定される。

王様も目の前に居るし、最悪なのは神様も居る事だ。


もうすぐ時間切れになるんだけど、どうするんだろ?

答えないと魂に直接ダメージを与える仕組みになっているんでしょ?

大丈夫なのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ