表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
723/949

賭博罪

渡された騎手は他の騎手に渡したいようだが、既に赤いボタンを押したために手が離れない。

俺が渡した時に押しちゃったからね。ごめんね。


「準備は出来たようだな。ほれ、質問しろ」

「王様、質問して良いそうですよ」

「う、うむ。では。

 5レースだったか? お前は本気で走ったか?」

「……」


おっと、回答を悩んでるな。

まぁ、悩んでる時点でアウトだと思うんだけどさ。

そういえば伝えてない事があるなぁ。


「沈黙は何秒までOKなんですか?」

「10秒だな」

「そうですか。じゃあ、後2秒ですね」

「えっ! は、はい! 本気でした!!」


ピンポーン


はい。ウソと判明しました。

って、あれ? ピンポン? 本気だったの?

ウソじゃないじゃん。壊れてるんじゃないの?


だが、王様は何かを感じたようだ。

次の質問をしてる。


「本気で走って勝つように誰かに指示されたか?」

「……」


なるほど。1着だったんだから本気だったと。

勝つのに手を抜く必要は無いもんな。


「答えないならそれで良いが、答えない時点で事実だと判るぞ?

 それなら呪われるよりも答えた方が良いと思うがな」

「!! は、はい! 指示されました!!」


ピンポーン


「やはりそうか。……指示した者はここに居るか?」

「いいえ!」


ピンポーン


「そうか、居ないのか」


貴族が直接指示したんじゃないのね。

だから、直接話をした者はここに居ないから、真実だという事か。

もしかしたら、貴族の事も知らないかもしれないね。


その後も、色々な質問をして追い詰めて行った。

10問が終わった時には、、何度か同じ様に不正をしていた事が発覚した。


「よく判った。お前は賭博罪で逮捕する」

「賭博罪って何ですか?」

「そうか、福田殿は知らなかったか。

 賭博罪というのは、ギャンブルで不正をした時に適用される罪の事だよ。

 これは、インチキをした者・買収した者とされた者・八百長をした者、さらには予想を売った者も含まれる」

「他のは判るんですけど、予想を売った者ってのは?」

「例えば、こういう競馬のレースで、次は2-5ですよと予想を売る者の事だ。

 これは一見すると違法では無いように感じる。

 だが、詐欺のような物だし、買収の温床になりそうなので禁止なのだ」


なるほどね。

確かに前世の日本のスポーツ新聞にもそんなCMが載ってたわ。

最初の1回だけは、500円で予想を教えますとか。

日本中で1000人が買えば、外れても50万儲かる。

偶然的中すれば、当たると信じて本登録する。

で、本登録は1レース5000円です、とかになってる。

当たるのなら元が取れると勘違いして複数のレースを買う。

1000人が2レースづつ買えば、1000万の儲けだ。

広告を出して適当な予想を言うだけで1000万儲かる。

そのCM広告を見た時、詐欺っぽいと思った事があるもん。


だって本当に当たるなら、人に教えずに自分で買った方が良いでしょ?

2倍だとしても1000万使えば2000万になるよ?

俺だったら、絶対に人には教えない。

だって、買う人が増えたらオッズが下がるじゃないか!


そういうのを先んじて法律で禁止してるのか。

やるじゃないか。


「で、その賭博罪ですけど、どれくらいの罪の重さなんですか?」

「内容によるが、最低で5年以上の懲役だな。

 貴族の場合は、それは適応されないが」

「貴族は適応外なんですか?」

「そうだ。甘い訳じゃないぞ? 逆で貴族は罪が重くなるのだ」

「重いんですか?」

「貴族には権力も財力もあるからな。断れないようにする事も可能だろう。

 だから貴族が行った場合は、全財産没収・身分剥奪・国外退去か10年以上の懲役か死罪だ」

「……むちゃくちゃ重いじゃないですか」

「人の上に立つのだから当然だ。まぁ、冤罪の可能性もあるので、調べはしっかりとやるがね」


そうだよな。そんなに重い罪なら冤罪は怖い。

貴族を貶めようと画策する者が居る事もあるだろうからね。


「さて、次の者、これを持て。いや、こうなったら、ここに居る全ての者を調べるか」

「全員を調べるんですか?」

「福田殿とかみ、いやえ~と、アポロン殿には時間を取らせて申し訳無いが……。

 この神器、いや、機械がある内に調べてしまいたいのだ」

「それは良いんですけど、全員ですか?」

「あぁ。勿論御二方は数には入っていない。不正するはずが無いからね。

 自分も先ほどしたので無しだ。だが、それ以外の者は全員調べる。

 騎手・兵士・警備員・厩務員・審判、そしてコジマ伯爵、貴方もだ」


あ~、これを機会として、青くなってガタガタ震えている伯爵も調べる気なんですね。

見事な作戦です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ