ゴースト対策
これで全員が魔法を覚えた。
いや、実は1人だけ覚えてない人がいた。
それはカンダさんだ。
魔法を覚えるのに「貴方の魔力を使用して魔法を発動させます」と本にあったのを覚えているだろうか?
ファイヤーアローを覚えるのに、ファイヤーアローを使った場合と同じようにMPが10使用されたのだ。
その後に試し撃ちをして、合計で20消費した。
フリーズアローはMP12。カンダさんのMPの最大値は30。
30-20-12=-2
はい、足りません。
覚えて嬉しいのは判るけどさ! MP少ないんだから試し撃ちなんかするなよ! この脳筋野郎が!!
さて、6階の攻略に戻ろうと思ったのだが、、、
あっ、ゴーストとかに有効な魔法を覚えてない……。
いや、そもそも、そんなのが無かった気が!
「キジマさん! ゴーストとかに効く魔法ってあるんですか?」
「ありますよ。『ホーリーアロー』とか」
「……載ってなかったよね?」
「……載ってなかったですね」
「……有効な武器とか持ってる?」
「……いえ、持ってないです」
「……今日は帰ろうか」
朝から張り切ってきたのに、魔法を覚えただけで帰ってきてしまった。
この先出会う敵に有効な手段を入手するのは、悪い事ではない。いや優先的にすべき事だろう。
ゴーストに対する有効な手段を探すとしよう。
その前に俺にはする事がある。
それは、買い物だ!
コップすら持ってないダメ冒険者を卒業するのだ!
まずはウエダさんの店で買い物をして、揃わない物はカジノの町で買うとしよう。
「あれ? もう帰ってきちまったのかぃ?」
ウエダさんの声にコタニさんがバツが悪そうにしている。
ゴーストにビビって帰ってきた感じになってるからなぁ。
「いや~、俺の持ち物がショボい事が判ってね。色々買い揃える為に戻ってきたんだ」
「そうなのか? ま、俺の店で買ってもらえれば嬉しいがね」
「まずはコップ! コップを売ってくれ!!」
「どうしたいきなり?! 木のコップならそこにあるぜ」
「ついでにスプーンや箸も! 後はゴミを入れる袋!」
「同じ所にあるよ。落ち着けよ」
この世界、ゴミ袋は無かった。
出たゴミはかまどで燃やすか、木で出来たゴミ箱に入れておいて翌日まとめて燃やすそうだ。
冒険者はその辺に捨てていくらしい。ポイ捨てダメ!!
って事で、ウエダさんの店では、
コップ・スプーン・箸・麻袋×10・タオル×10を購入した。
残りはカジノの町で買うとしよう。
まだあるのかって? 前世でキャンプに行くくらいのつもりで買い物しようと考えている!
だから他に欲しい物と言えば、
調味料・鍋・お玉・まな板・軍手・紐・ロープ・筆記用具・治療用具・シャンプー・リンス・ハミガキセット・等
そして、酸に強い武器・ゴースト等に効く武器、
これくらいは買っておきたい。
出来ればバファ○ンなど薬も買いたいくらいだ。
折角アイテムボックスという某青猫のポケットがあるのだ。入れていて損は無いはず。
料理した物を入れているが、もし尽きた場合は現場で料理する事もあるかもしれない。
カジノの町に買い物に行きたいとウエダさんに話すと、昼から仕入れに行くとの事なのでその時に一緒となった。
早めに昼飯を食べてから出発し、昼にはカジノの町へ到着。
ウエダさんは卸し問屋に行くそうなので、1時間後に合流する事に。
何故か合流地点はスロットの店になったけど……。
ギャンブルしに来たんじゃないんですからね!!
カンキジコンビには、武器を探してきてもらう事にした。
俺はコタニさんと二人で色々な物を片っ端から購入して回る。
調味料は貴重で高いのかと思ったが、そんな事は無かった。
おかしいな、よくある話では調味料で稼ぐんだけど。
聞いてみると、ダンジョンのモンスターのドロップで調味料が出るのだとか。
それを狙った専門の冒険者もいるらしい。
何そのモンスター! 俺も狩りに行きたい!どこのダンジョンだ?!
よく見れば「産地:サギスダンジョン」とか書いてあるし!
産地で違いとかあるんだ!!
調子に乗って、塩・砂糖・こしょう・醤油・バター・蜂蜜・焼肉のタレ等、色んな物を買ってしまった。
全部キロ単位で買ったのに合計で2万円というから、前世ほどでは無いが安いのが判るだろう。
この後調理用具を購入したが、時間になるので買い物を中断しスロットの店に向かった。




