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バーベキュー

港へ到着すると、軍の関係者らしき人がこちらにやってきた。

何かあったのかな?


「失礼ですが、福田様ですか?」

「はい、そうですけど」

「私はここの港に駐留している者です。先ほどモリタ様より連絡がありまして」

「モリタ君から?」


何事だろうか?

そう言えば、ここに来るまでにやたら飛ばしている馬が居たな。

運を使ってるからその人絡みの騒動にはならないだろうと思ってたが、あれって連絡員の早馬だったのかも。


「福田様にお土産を渡すのを忘れていたと申されまして。

 こちらで海産物を用意しましたので、お持ちいただけるでしょうか?」

「そんな、気を使わなくても良いですよ」

「いえいえ。それに受け取っていただけないと、私が怒られてしまいます」

「そうですか? では。すみませんね、気を使っていただいて」

「福田様はモリタ様にご尽力をされたと聞いております。

 我々も感謝をしておりますので、お気になさらず。

 海産物ですみません。この近辺での特産物といえばこのような物しかありませんので」


そう言って渡されたのは、サザエ・アワビ・カニ・エビの詰め合わせだった。

これは嬉しい! バーベキューで食べたいな!


「これは嬉しいですね! ありがとうございます!!」

「喜んでいただけて光栄です」

「モリタ君にもお礼を言っておいてください」

「承りました」


いやぁ、モリタ君。ありがとう!

トラブルかと思ってたから、嬉しさ倍増だよ!


軍の人達に手を振られながら出航した。

どうやらモリタ君は慕われているようだ。

ちなみにカンキジコンビは上陸地点に馬車を移動中です。


上陸地点に移動して、馬車を回収。

そのまま今度はセキハイムを目指す。


だが、今日は海産物バーベキューだ!

貰った分だけでは足りないと思うので、近くの港に入港する。

そこで出会った漁師さんから、海産物を大量に売ってもらった。


これで準備は万端だ!

出航させて少し進んだ入り江に舟を止める。

早速王都の家に戻り、ヒタキさんに晩御飯はバーベキューにしたいと伝える。


「庭でなさるのですね。判りました。準備致します。

 しかし、大量に買ってこられましたね。これでは余ると思いますが」

「そうですか? 勿論ヒタキさん達も参加してくださいよ?」

「いえ、私達は……」

「従業員だからって、遠慮は無しで。今日は皆で食べましょうよ。慰労だと思って下さい」

「……判りました。お言葉に甘えさせて頂きます。

 それにしても多いと思いますが」

「そうですか? じゃあ島の皆もカジノの町の皆も呼びましょう。

 そうだ、タルーンさんも招待するかな」

「では、使いの者を出しましょう」

「いえいえ、俺が連絡しますよ。用意をお願いします」

「判りました」


タルーンさんに電話するのはナグラさんにお願いしておいた。

その間に、俺は島とカジノの町へ行き、ロッカさん達従業員を連れてきた。


招待するなら、他の人も呼ぶか?

と閃いたので、『門のシール』を貼っている場所の人達を呼んで回る。


こうして、カジノの町周辺からウエダさん一家とサガワさんを。

ノートルダムから、ホウズキさんとハズキ君を連れてきた。

後、従魔も全部呼び出したよ。

結構な人数になったので、持っていた食材も追加で出しておいた。

カンダさん達がバカみたいに釣ってた魚があるからね。



かなり楽しいバーベキューパーティーになった。


中でも面白かったのはハズキ君。

ナミちゃんとあっという間に仲良くなったんだよね。

ウエダさんはそれを見てイライラしてた。

良いじゃないか、男友達くらい。

上手くすれば、王妃になるかもよ? そういう問題じゃない? あ、そう。

そのハズキ君はヒタキさんを見てイヤな顔してたけどさ。


ホウズキさんはヒタキさんと話が合うようだった。

酒も入ってか、談笑してた。


サガワさんはタルーンさんと話してた。

2人で悪い顔をしてたので、きっと商売の話をしてたのだろう。

どちらもやり手なのが恐ろしい。見なかった事にしよう。


こういうパーティーって良いよね。

また企画しよう。

きっかけをくれた、モリタ君に感謝だ!

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